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2年越しの“忘れ物”を取りに…初招集FW小川航基「いくらでもひっくり返せる」

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MF相馬勇紀(鹿島)と追いかけ合う日本代表FW小川航基(水戸)

 ようやく辿り着いたA代表初選出の機会は、大きな忘れ物を取り戻すための旅となった。日本代表FW小川航基(水戸)は2年半越しに迎えた韓国でのタイトル挑戦に向け、「悔しい思いがあるけど、ひっくり返せるくらいの気持ちを持って試合に臨みたい」と意気込みを語った。

 小川は2017年夏、韓国で行われたU-20ワールドカップに出場した。絶対的なエースとして期待され、初戦・南アフリカ戦ではチームを勝利に導くゴールを決めたものの、第2戦・ウルグアイ戦で膝に大怪我をして負傷交代。MF堂安律、MF久保建英、MF三好康児、DF冨安健洋らを擁したチームはエース不在が響き、ベスト16で敗退した。

 当時の仲間たちは韓国でのビッグタイトルを機に、世界への階段を駆け上がっていった。それに対して小川はリハビリからのスタートとなり、しばらくはJリーグでの出場機会を得るのもままならなかった。今季プレーしたのもJ2中位の水戸。来年に控える東京五輪を踏まえても、大きく差をつけられている状況にある。

「常に僕は厳しい現状にいると思っているし、それは別にオリンピック前だからではなく、サッカー人生で厳しい状況にいると思っている」。そう語る小川にとって、ようやく辿り着いたA代表の舞台。このE-1選手権は「現状は一番手という感じではないかもしれないけど、いくらでもひっくり返せると思っている」との決意を見せる舞台となる。

 東京五輪の主力筆頭と目される欧州組とともに、U-22日本代表として出場した11月のキリンチャレンジ杯・コロンビア戦では無得点。それでも「現状はFWで点を取れていないということで僕らは責任を感じている。本戦ではFWが点を取って、自分が点を取って、勝つことを期待してもらえれば」と述べ、奮起の思いは強い。

 だからこそ、出場が見込まれる14日の香港戦では目に見える結果にこだわる構えだ。「残り2試合が非常に大事になるし、それには得点というところで監督を納得させないといけない。何かしらのインパクトを残さないと今後は厳しい」。東京五輪のエース候補は因縁の韓国の地から巻き返しを図る。

(取材・文 竹内達也)
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