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[MOM3091]FC東京U-18MF小林里駆(3年)_意地の一撃でチームをプレミアへ導く

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決勝点でFC東京U-18をプレミアリーグ昇格に導いたMF小林里駆

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.15 プレミアPO2回戦 FC東京U-18 1-0 山形ユース コカ広島ス]

 中村忠監督が「リーグ戦に懸けていた」と話した通り、FC東京U-18の目標は1年でのプレミアリーグ復帰だった。13日のプレミアリーグプレーオフ1回戦で旭川実高を5-0で下し、昇格まであと1勝。そして、頼れる10番が山形ユースとの大一番で主役になった。

 前半はU-17日本代表DF半田陸(3年)を中心とした山形の守備網を打開できず、スコアレス。その状況を3-4-2-1システムのシャドーを務めた小林里駆(3年)が一変させる。

 後半17分、右サイドで森田慎吾(3年)からパスを受けると、鮮やかなターンで2人のマークを外す。そこからさらににスピードを上げ、PAに侵入。最後は逆サイドネットに右足シュートを叩き込んだ。ゴールが決まった瞬間、一目散にベンチへ向かった小林。駆け寄った仲間と喜びを分かち合い、笑顔を弾けさせた。

 昇格を手繰り寄せる値千金の決勝弾。今年は個人として葛藤も多い1年だっただけに、最後に報われる形となった。U-18チーム昇格当初から期待を懸けられていた小林。1年時から出番を掴むと、2年時にはボランチとしてプレミアリーグで17試合に出場しつつ、U-23チームの活動にも参加した。昨年3月にはJ3デビューも果たし、目標であるトップ昇格も手の届く場所にあった。

 だが、最終学年は描いたビジョンと異なる道を歩んだ。仲間たちがU-23チームで出場機会を増やしていく一方で、自身はJ3で先発4試合にとどまった。そのため、J3を戦った翌日にプリンスリーグ関東が開催されれば、U-18チームに合流することもしばしば。「2つのチームで活動していたけど、J3では思ったようなプレーができず、結果を出せなかった。だから、昇格ができなかったと思います」。本人が振り返った通り、得意のドリブルはプロの世界では通用せず、来季のトップチーム昇格は叶わずに悔しさを味わった。

 だからこそ、小林はこのプレーオフに懸けていた。自分の価値を証明するためにも、自分のゴールでチームを勝利に導きたい――。初戦で2得点を奪うと、この日は「全ての想いをぶつけて、無心でシュートを打った」という意地の一撃でヒーローになった。

 卒業後、順天堂大に進学する小林は言う。「先輩たちと切磋琢磨しながら1年から試合に出て、4年後ではなくて1年でも早くプロの世界に戻りたい」。次の目標は大学経由でのFC東京入り。中村監督も「体作りも含めて、より逞しくなって、FC東京に帰って来てほしい」と話し、クラブも今後の成長に期待を寄せているのは確かだ。高校最後のゲームで掴んだ自信を手に、FC東京U-18の10番は新たなステージに足を踏み入れる。

(取材・文 松尾祐希)
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