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痛恨クリアミスが“アシスト”に…昌平DF柳澤直成「コミュニケ―ションが取れずに…」

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試合後が涙を流したDF柳澤直成(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.5 高校選手権準々決勝 青森山田3-2昌平 等々力]

 痛恨のクリアミスになった。昌平高(埼玉)は1点を先行されて迎えた前半19分、エリア内でMF武田英寿を背負ったDF柳澤直成(3年)は、慌てたのかゴール方向へクリアしてしまう。これがゴール正面で待っていたMF後藤健太(3年)に渡り、手痛い追加点を決められた。

 柳澤はGKとのコミュニケーション不足が原因と振り返る。「体を入れたときに取りに来てほしかったんですけど、そこでコミュニケ―ションが取れずにクリアもあたり損ねて中に入っちゃった感じ。しっかりとコミュニケーションが取っていれば防げた失点だった」と唇を噛んだ。

 またコミュニケーションの部分は、試合開始直後から気にかけていたところだった。コートチェンジが行われたことで、前半は真正面から日差しを受けることになった。「最初のロングスローかなんかで日差しで見えなかったり、GKとコミュニケーションが取れなかったりしたので、気を付けようと思っていました」。

 落ち込んでしまいそうなところ。実際に試合中に切り替えることができない選手をこれまで何人も見てきた。しかし柳澤はそのことを引きずることはなかった。後半に向かうチームを先頭で引っ張るようにしてピッチに登場した。「ミスをしてしまった自分が先頭を切らないと切り替わらないと思った」。チームメイトも認める強心臓ぶりを如何なく発揮し、チームを逆に盛り立てた。

「来年のチームにはこの経験をした2年生が多く残る。このメンバーでここまで来れたならもっとやれると思います。1年生には篠田(大輝)もいる。来年、再来年と力強い試合をしてもらって、今回塗り替えた昌平の歴史をまたさらに塗り替えてほしいと思います」

「選手権の舞台で試合が出来る人は限られている。誰にでも出来るわけじゃない。卒業後は武蔵大学に進学するのですが、ここで得た貴重な経験を大学のチームでも還元出来ればいいなと思います」

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2019

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