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[MOM3147]静岡学園MF松村優太(3年)_「外したら負ける」ラストプレーの劇的PKで“有言実行”初ゴール

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後半アディショナルタイム4分、静岡学園MF松村優太がPKを決める(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.11 選手権準決勝 静岡学園高 1-0 矢板中央高 埼玉]

 2万9747人の大観衆が固唾を呑んで見守る中、背番号10はゆっくりと助走に入った。0-0のまま迎えた後半アディショナルタイム4分につかんだPKのチャンス。静岡学園高(静岡)のMF松村優太(3年、鹿島内定)は右足で冷静にゴール右へ流し込んだ。

 直後に静岡学園の24年ぶり決勝進出を告げるホイッスル。劇的な“サヨナラPK”を決めた松村は「これを外したら負けるぞというぐらいの気持ちで臨んだ。落ち着いて決めることができた。自分の信じた方向に蹴るだけだった。GKは全然見ていない」と胸を張る。これが今大会初ゴール。大舞台で勝負を決める大仕事をやってのけるのがエースのエースたるゆえんだ。

 卒業後は鹿島入団が内定している50m走5秒8の高速ドリブラーは毎試合、厳しいマークに遭ってきた。それでも、松村に相手の警戒が集まることで周囲が空き、チームとしては準々決勝までの4試合で計15ゴール。ところが、この日対戦した矢板中央(栃木)は松村一人をマークするのではなく、2トップを含めたフィールド選手全員が自陣まで引いてゴール前に分厚い壁をつくってきた。

「相手のストロング(守備)が堅くて、攻めあぐねている時間もあった。それでも後半の最後は崩せている場面もあったし、90分以内で決めないと(PK戦で)やられるという気持ちで最後まで攻め続けた」。PK戦になれば精神面でも相手が優位に立ちかねない。「そうなると(PK戦になると)相手の思うつぼ」と、終盤は怒涛の攻撃に出た。

 後半44分、松村がPA内右からマイナスに折り返すもMF浅倉廉(3年)のトラップが流れ、FW加納大(2年)も押し込めなかった。後半アディショナルタイム2分にはDF田邉秀斗(2年)のクロス性のシュートが右ポストを直撃。それでも、PK戦突入かと思われた同3分にMF小山尚紀(3年)とのパス交換でPA内に切れ込んだ松村が相手に倒され、PKを獲得した。

「(PKは)取った人が蹴ることになっているし、(キッカーを)譲る気はなかった」。重圧のかかる場面で自らキッカーを務めた背番号10のひと振り。今大会はここまで無得点が続いていたが、「今日は(点を)取れる予感もしていた」という。

 静岡県予選でも当初は無得点が続いたが、準決勝の浜松開誠館戦(○2-0)でチームを勝利に導く2ゴールを決め、決勝の富士市立戦(○6-1)は開始18秒の先制点でゴールラッシュの口火を切った。全国大会の1回戦・岡山学芸館戦(○6-0)後には「県予選も最初は点を取ってなかったけど、準決勝、決勝で取った。そんなに焦りはない」とも話していた。

「ここまで点を取れていなかったけど、焦りなく、落ち着いて試合に臨めたことが良かった」。大舞台で発揮する勝負強さ。準々決勝の徳島市立戦(○4-0)後にも「次はしっかり取れるようにしたい。周りからも『テレビに映ったら強いね』と言われる。次は大きいスタジアムですし、また楽しんでやっていきたい」と自信を見せていたが、まさに有言実行の決勝点となった。

 13日の決勝では、24年ぶり2度目の優勝、単独では初優勝を懸けて青森山田(青森)と対戦する。「青森山田は攻守ともにレベルが高い。高体連では一番強いと思う」。相手の10番は浦和内定のMF武田英寿(3年)。“10番対決”も注目される中、松村は「あんまり会ったことはないけど、これからプロの世界でも勝負していく選手。ライバル意識は持っているし、チームが勝てるように、自分のプレーで結果につなげたい」と意気込んだ。

(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2019

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