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PK献上も下向かず、静学の2年生守護神・野知「もう一度この景色を」

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静岡学園の2年生守護神、GK野知滉平(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.13 選手権決勝 青森山田高 2-3 静岡学園高 埼玉]

 決して下を向くことはなかった。5試合連続無失点で決勝まで勝ち上がってきた静岡学園高(静岡)だが、決勝では前半11分にFKから先制を許し、今大会初失点。さらに同32分にはPA内に抜け出してきたMF武田英寿(3年)をGK野知滉平(2年)が倒してしまい、PKを献上した。

 これを武田に決められ、前半33分で0-2。2点ビハインドを負う中、静岡学園の2年生守護神は「自分の中でそういう(飛び出す)判断をして、自分でプレーした。取り返しはつかないし、どうしようもない。まずPKを止めるぞという気持ちでいたし、決められたけど、引きずることなく、切り替えてプレーできた」と、しっかりと顔を上げ、最後尾から声でチームを鼓舞し続けた。

 静岡県出身で、清水エスパルスジュニアユースから静岡学園に進学してきた野知は「サッカー王国復活と言われるのは、静岡の人間としてとてもうれしい」と会心の笑みを見せる。川口修監督からは「人生で一回あるかどうかの大勝負だ。すべてを懸けろ」とゲキを飛ばされていたという。その言葉どおり、24年ぶり2回目の優勝、悲願の単独優勝を飾ったが、野知ら下級生からすれば、これを「人生で一回」にするつもりはない。

「今回こういう結果を残して、来年は期待も高まってくると思うけど、その期待に応えられるように、この舞台を目指して頑張りたい」。この日のスタメンに2年生は野知のほか、DF田邉秀斗(2年)、FW加納大(2年)の3人。ベンチにも2人入っていた。

「全国に出るだけでなく、もう一度この景色を見たい。試合が終わったあと、2年生で集まって『また優勝しよう』と話した」。前回王者として臨む来年度。連覇を果たすことで、サッカー王国復活をより一層とどろかせるつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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