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「自信を持って言えない」大会得点王…静岡学園FW岩本悠輝は後輩に優勝の思い託す

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大会得点王の静岡学園高FW岩本悠輝(3年)(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.13 選手権決勝 青森山田高 2-3 静岡学園高 埼玉]

 準決勝までの5試合で5ゴール。得点ランキングトップタイの静岡学園高FW岩本悠輝(3年)の名前は、スターティングメンバーの中になかった。岩本は決勝で1トップに入ったFW加納大(2年)に「頼んだぞ」と思いを託したーー。

 試合後、祝福の言葉をかけると「ありがとうございます!」と笑顔を見せた岩本だが、「嬉しいは嬉しいですけど、悔しい部分もあります」と正直な思いを吐露した。青森山田のセンターバックとの対戦を心待ちにしていたが叶わず、「一度はやってみたかったですね」と寂しげな笑顔を見せた。

 県予選決勝では1トップは加納が務めていた。「先発で出るか出ないかわからなかった」立場だったが、大会前に加納が故障を抱え岩本に出番がまわってきた。すると、1回戦、2回戦で連続ゴールを奪い、準々決勝ではハットトリックを完成。選手権で得点を積み重ねてきた。自身で一番印象に残っているゴールについては「1回戦です。あの試合で何もしなかったら2回戦以降で先発から外れていた可能性が高かった」。危機感を募らせながらも結果を出し続けた。

 前線でボールをおさめる能力を期待されて決勝の先発に起用された加納。DF藤原優大(2年)を背負いながらも反転して左足を振り抜き、試合を降り出しに戻すゴールを決めた。加納もまた決意を持って決勝に臨んでいた。「外から見ていて、(決勝まで)連れてきてもらった部分が大きかった。今日は先発起用させてもらって、感謝を返すためには結果しかないと覚悟を決めて試合に出た。形で実現できてよかった」(加納)。岩本も「すごかったですね」と後輩のゴールを手放しで称賛していた。

 静岡学園の24年ぶりの優勝で大会は幕を閉じ、得点王の称号は岩本と四日市中央工高MF森夢真(3年)が分け合う形となった。「めちゃめちゃ複雑です」。静岡学園の背番号12は素直に喜べなかった。「準決勝、決勝で(点を)取ってないので。そういうところで取れる選手じゃないと、自分は自信を持って“得点王”と言えない」。“優勝”、“得点王”、“大会優秀選手”……ストライカーとして最高の称号を手にしながらも、やりきれない気持ちは隠せなかった。

 卒業後は中京大でプロを目指す。「全国となるとセンターバックが大きいので、(自分も)体を大きくしておさめられるようにしたいです。裏への抜け出しだけだと通用しなくなる部分もあるので。引かれた相手だと自分は活きない。そういうところで活きるようなプレーをしていきたいです」。この舞台で得た課題は、次のステージで活かす。

(取材・文 奥山典幸)
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