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[新人戦]日章学園が九州3位。3月退任、“ラストゲーム”勝利の早稲田監督は選手たちに感謝

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日章学園高の早稲田一男監督は同校での“ラストゲーム”勝利に笑顔

[2.18 九州高校(U-17)大会3位決定戦 長崎総合科学大附高 0-2 日章学園高 博多の森陸上競技場]

 日章学園が恩師の“ラストゲーム”で勝利! 第41回九州高校(U-17)サッカー大会(新人戦)は大会最終日の18日、3位決定戦を行い、日章学園高(宮崎2)が2-0で長崎総合科学大附高(長崎1)に勝利。3位の日章学園はサニックスカップ国際ユース大会(3月、福岡)への出場権を獲得した。

 日章学園は85年2月から指揮を執ってきた早稲田一男監督が、定年のために今年3月で退任。これまで去就については公言していなかったが、前日の準々決勝前に自らの口から選手たちにその旨を伝え、この3位決定戦が日章学園で最後となる公式戦指揮だった。

 対戦相手は小嶺忠敏監督率いる長崎総科大附。今大会、ボールを繋ぐ新スタイルで戦ってきた長崎総科大附だが、この日はマンマークとロングボールを主体としたサッカーで日章学園の前に立ちはだかった。

 日章学園はボールこそ握っているものの、相手の守備ブロックの中に縦パスを通すことができず、攻めあぐねた。それでも、前半28分にMF日野海土(2年)を右サイドへ投入。4-4-2から4-1-4-1システムへ変化し、FW小野大斗(2年)と10番FW木脇蓮苑(1年)が相手のマンマーカーにあえて張り付いたり、意図的にスペースを作り出したことでビルドアップも好転した。

 長崎総科大附は10番MF別府史雅(1年)の左足ミドルなどで攻め返し、後半13分にはMF岩永空潤(2年)の折り返しをMF一宮優斗(2年)が決定的な形で合わせる。だが、最大の決定機を逸すると、直後に先制点を奪われてしまう。

 日章学園は後半20分、中央でクリアボールを拾ったMF藤本優希(1年)が右サイドへ展開。これを受けた日野がDFを外してPAへループパスを入れると、MF葭岡遥来(1年)が胸コントロールから右足シュートをゴールへ叩き込んだ。

 日章学園はさらに32分、SB鈴木天己(2年)が右タッチライン際へ開いた日野へ繋ぐ。そして、早稲田監督が「ちょっとアクセントになっていた」という日野がグラウンダーのクロスを入れると、ファーサイドの葭岡が右足ダイレクトでシュート。この一撃が長崎総科大附の名手・GK梶原駿哉(2年)の指先を抜けてゴール左隅に吸い込まれた。

 前日に早稲田監督から厳しい言葉を受けて涙していた葭岡が「厳しいことも言ってもらったし、優しいことも言ってもらったので最後良い形で送り出したいと思っていた」と2発。また、CB古賀照也主将(2年)が「(相手の背後への攻撃に対する)チャレンジとカバー、そしてセカンドボールの回収をするチームが勝つと話していた」という日章学園が、試合の肝の部分で譲らず、早稲田監督の“日章学園ラストゲーム”を白星で飾った。 

 日章学園は前日の準決勝で敗戦。早稲田監督に優勝をプレゼントするという目標を達成することができなかった。だが、古賀は「負けてしまったんですけれども、ラストしっかり勝とうと。サニックスというモチベーションもあって、早稲田先生が最後だということもあった。気持ちの面では身体の面でも疲労とか来ている選手が多くて、でもその中でもしっかりとハードワークできたと思います」と全員で勝ち取った白星を喜んだ。

 早稲田監督は「サニックス(の出場権)を勝ち取ったので。大体褒めないんですけれども、いい思い出を作れたと話したい」と選手たちに感謝。選手たちは、チームを引き締めてくれるところや勝負強さなどを指揮官から学んだという。そして、「自分にとって必要だった」と古賀。今年一年、自分たちが良い結果を残すことで、これまでの指導に応えるつもりだ。

 早稲田監督は宮崎から越境入学した帝京高(東京)で主将として選手権優勝を果たし、古河電工でも活躍。85年に宮崎実高(87年に日章学園高へ改称)の監督に就任し、選手権は96年の初出場を皮切りに15回、インターハイ14回(同校は計15回)の全国大会に導いている。就任当初は宮崎県内で勝てない時期も長かったが、「1回目の選手権に出た96年の選手たちが色々変えてくれました」。その後04年に開校した中等部との中高一貫指導によって強化し、日章学園を全国区の強豪へ引き上げた。

 16年に日本高校選抜の指揮も執っている早稲田監督は日章学園での35年間の指導について、「今思えば短いですよ」とコメント。この日、選手たちには「目標を見失わないように」と言葉をかけていたが、改めて全部員に対して言葉を送り、3年生の卒業式(3月)などを経てチームから離れることになりそうだ。

 現時点で後任は未定。早稲田監督は4月にも新たな場所で指導を始める模様だ。「新天地で暴れられるように頑張ります」とコメント。高校の指導者となれば、教え子たちの前に立ちはだかる可能性も十分にある。早稲田監督の今後、そして新生・日章学園の戦いにも注目だ。

(取材・文 吉田太郎)

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