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練習参加して感じたプロの意識の高さ。飯塚の注目DF川前陽斗はピッチ内外で成長し、父と同じJへ

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飯塚高CB川前陽斗はJ練習参加の経験を活かし、ピッチ内外で成長してプロの世界へ

[2020シーズンへ向けて](※飯塚高の協力により、アンケート形式で取材をさせて頂いています)

 父に続くプロ入りを狙う注目DFは、これまで以上に意識を高めてシーズン開幕に備えている。福岡の新鋭、飯塚高のCB川前陽斗(3年)は九州高校新人大会(U-17大会)後にJ2クラブへの練習参加を経験。得意とするビルドアップで手応えを得た一方、パスやフィジカル、判断のスピードを課題に感じたという。

 また、驚いたことは、車で送り迎えしてくれた選手など先輩Jリーガーたちが常にサッカーの話をしていること。「それだけサッカーが好きで熱中しているんだなと思いました。だから、このような意識の選手が上の舞台で活躍しているんだなと感じました」を学んだ。

 C大阪や鳥栖などで活躍した父・力也さんに続くJクラブ加入を勝ち取り、そこで活躍するためには日常からレベルアップさせなければならない。そのことを再確認した川前はトレーニング、ピッチ外でもチームのために動き、意識高く活動することを心がけているという。現在、飯塚は新型コロナウィルス感染拡大の影響で休校中。その期間でも成長し、公式戦でJクラブのスカウトたちに認められるため、またチームの勝利により貢献するための準備を続けている。

 川前は昨年、スピードと高さを兼ね備えた大型左SBとして台頭。今年、ストッパーとしてプレーする川前は自分の特長について、「スピードは自分の1番の武器だと思います」と分析する。相手の俊足FWに対しても対応してボール奪取。またロングフィードも得意とし、一発で局面を変えることができる。コーチングも持ち味だ。

 普段から飯塚のトレーニングで技術とインテリジェンスを磨き、公式戦を重ねてきたことで成長。「(公式戦でも)自分のスピードという部分は、相手にしっかりと付いていけていたので通用していたと思います。キックの精度はこの1年で大きく成長していると思います。逆足のキックも利き足と同じくらい蹴れるようになってきています。公式戦に関しては普段の練習試合とは違った雰囲気で試合することができ、メンタル的にも大きく成長することができたと思います」と語る。

 新人戦で感じた課題はよりヘディングの強さが必要だということ。「相手の頭2つ、3つ上から叩けないと、もっと上の舞台では勝てないなと感じましたし、あとはフィジカルの強化。食事の質にもっとこだわってやっていきたい。そして、この自粛期間中はチームから指示されている筋トレにプラスして、自分で考えたトレーニングも取り組んでいます」と語った。

 川前は憧れの存在について、「僕が尊敬する選手はマンチェスター・ユナイテッドのアーロン・ワン・ビサカ選手です。彼の凄いところは粘り強い守備です。どんなに速い選手に対してもしっかりと付いて行き、スライディングでカットしてしまうところです。さらに攻撃に関してもスピードに乗った縦突破、獲られない足元の技術もあります」と語る。マンチェスター・シティとのマンチェスター・ダービーでFWラヒーム・スターリングを完封。その試合は特に印象に残っているようだ。

 自分も今年、福岡、全国の強敵を止めて評価を高めるか。「この一年、自分のできることをやって、誰にでも認められる、日本でトップクラスの選手になれるように。そして、プロからの視線に止まるようなプレーをしたいと思います」。九州の注目DFが意識高く成長を目指して、プロ入り、もう一つの大目標・全国制覇を実現させる。

(取材・文 吉田太郎)

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