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「シンジに謝っていた」…名将ファーガソンが退任を伝えた日

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MF香川真司アレックス・ファーガソン

 19年7月に現役を引退した元フランス代表DFパトリス・エブラ氏が、マンチェスター・ユナイテッド在籍時に指導を受けたアレックス・ファーガソン氏から退任を伝えられた際のエピソードを明かした。クラブ公式ウェブサイトが伝えている。

 ファーガソン氏は1986年にマンチェスター・Uの指揮官に就任。以後26年間指揮を執り、リーグタイトルを13度獲得するなど、クラブに数々のタイトルをもたらし、12-13シーズン限りで引退した。

 エブラ氏は公式ポッドキャストで、ファーガソン氏から退任が伝えられた際、「信じられなかった。悪いいたずらかと思った」と感じたという。

「(退任が伝えられる)2週間前、メディアはファーガソンはおそらく来年引退するだろうと書いていたし、彼自身も「パトリス、私は引退なんてしない、あと10年だってここにいるさ」と言っていたんだ」。さらに、「我々はクリスティアーノ・ロナウドとガレス・ベイルを獲得できるだろう。チャンピオンズリーグで再び優勝するには、この2人が必要だ。99パーセント実現する」と、ファーガソン氏から来季以降のプランも明かされていたようだ。

 その後、C・ロナウドと話す機会があったエブラ氏はマンチェスター・Uに戻ってくるのかを問うと、「彼はボスに『イエス』と返答したと言ったんだ。ユナイテッドに戻ってくるとね」との答えが返ってきたという。来季以降もファーガソン氏が指揮を執る――。そう感じてもおかしくない出来事だったが、C・ロナウドもベイルもマンチェスター・Uに来ることはなく、ファーガソン氏がその後10年間指揮を執ることもなかった。

 それから2週間後、練習場には多くのカメラが待ち受けていた。エブラ氏は「誰か何かしでかしたのか? 面倒なことになるな」と思っていたようだが、ロッカールームで待機していた選手たちにメディアが待ち構えていた理由が明かされる。

「ボスがロッカールームにやってきて、彼は『本当にすまない。私自身が発表する前に、誰かが私が引退することを漏らしたようだ。だから、あれだけのカメラが来ている。私は引退する。妻が私を必要としているんだ』と言ったんだ。そして、(ロビン・)ファン・ペルシとシンジ(香川真司)に謝っていた。2人はボスが獲得したばかりの選手だったから、彼らには特に申し訳なく思っていたんだ」

「あの日は本当に辛かった」と振り返るエブラ氏。「俺はサー・アレックス・ファーガソンを恐れたことは一度もなかったけど、彼をがっかりさせることは常に恐れていた。悪いプレーをして彼を失望させることをね」と続けている。

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