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[和倉ユース] 山口U-18とドロー。先輩たちの姿勢受け継ぐ日大藤沢が無敗でグループ首位通過

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後半9分、日大藤沢高の左SB栗原丈が右足で先制ゴール

[8.3 和倉ユース大会予選リーグ 山口U-18 1-1 日大藤沢高 和倉多目的G(Cコート)]

 3日、第8回和倉ユースサッカー大会2020予選リーグ最終節が行われ、グループDの首位・日大藤沢高(神奈川)と2位・レノファ山口FC U-18(山口)が激突。1-1で引き分けた。日大藤沢は2勝1分の1位で決勝トーナメント進出。山口U-18も1勝1分1敗で並んだ鵬学園高(石川)を得失点差で上回り、2位で予選リーグ通過を決めている。

 昨年度の選手権神奈川県予選でインターハイ王者・桐光学園高を破り、全国でも16強入りした日大藤沢と、11年インターハイで桐蔭学園高(神奈川)を日本一へ導いた山本富士雄監督の下で新たなスタートを切っている山口U-18との一戦。序盤から攻め合った結果、互いに決勝トーナメントへのチケットを獲得した。

 前半、日大藤沢は正確なボールタッチとパスが光るMF猪狩祐真(3年) やMF斉藤夏(3年)、MF植木颯(2年)を中心にワイドを活用した戦い。右SB松本遼成(3年)と左SB栗原丈(3年)がウイングプレーヤーのように攻撃にかかわり、ゴール前のシーンを作り出していく。

 相手を押し込み、栗原の突破から猪狩が決定機を迎えるなど攻めたが、負けられない山口U-18もGK紫垣慈瑛(2年)やCB山邊樹(3年)、CB⼤出⽂哉(3年)が執念の守り。得点を許さない。山口U-18も左SB木村裕貴(3年)のクロスからFW杉村駿介(3年)が左足シュートへ持ち込むなど攻め返していた。

 スコアは後半9分に動いた。日大藤沢は植木の展開から左サイドで前を向いた栗原がドリブルで仕掛ける。カットインから右足を振り抜くと、ニアサイドを狙った一撃がゴールを破った。元々アタッカーながら左SBを務めている栗原は「(日大藤沢は戦術上SBが)高く取れるんで攻撃は楽しいです。あそこは1対1で自分の得意な形なので、ゴールできて良かったです」。昨年の吉本武(現関西大)や過去には中村帆高(現FC東京)ら攻撃力の高いSBを輩出している日大藤沢がSB栗原のゴールで先制した。

 予選リーグ初戦で矢板中央高(栃木)から7得点を奪うなど攻撃力高い山口U-18も後半、チャンスの数を大きく増やして見せる。相手のプレッシャーを細かなパス交換などで剥がし、MF柳井敦志(3年)らが大きな展開。そして、トップチームでJ2最年少ゴールを記録した大器FW河野孝汰(2年)の活躍に刺激を受ける杉村が左サイドで違いを生み出し、カットインからのシュートやクロスで決定機を作り出す。

 チャンスを活かせない時間帯が続いたものの22分、敵陣での奪い返しから杉村がスルーパス。投入されたばかりのMF原⽥幹太(1年)がPAで粘ってPKを獲得する。これをキッカーの右SB吉田光(3年)が右足で決めて同点。その後、互いに勝ち越し点を狙って攻め合い、決定機を作った。日大藤沢はピンチが続いていたものの、CB宮川歩己主将(3年)やGK濵中英太郎(3年)を中心に身体を張ってゴールを死守。首位を守った。

 日大藤沢の3年生は、チームの練習姿勢を変えたと言われる昨年の3年生たちの姿を目の当たりにしていた世代だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって満足にトレーニングができていた訳ではないが、先輩たちの姿勢を受け継ぐ宮川や斉藤、濱中といった3年生たちが「自覚を持って取り組んでくれている。言ったからにはやらなければいけない。その言葉に責任を持ってトレーニングの質を高くしてくれている」(佐藤輝勝監督)。個々の意識の高さ、日常に取り組む姿勢が、和倉ユースでの結果にも繋がっているようだ。

 昨年のチームは選手権3回戦でPK戦の末に敗れ、目標の日本一を達成することができなかった。栗原は「キャプテン中心にチームで取り組むことができています。目標が日本一は変わらないので、日々の練習から声を掛け合ってこだわってやっていきたいです」と宣言。和倉ユース大会で1試合でも多くの厳しい試合を経験し、課題を持ち帰って目標達成に繋げる。

後半9分、日大藤沢高の左SB栗原丈が先制点を喜ぶ


(取材・文 吉田太郎)
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