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FC東京U-18MF角昂志郎はオンリーワンの選手、どの試合でも輝く選手へ

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FC東京U-18の突破口になり続けていたMF角昂志郎

[9.27 プレミアリーグ関東第3節 市立船橋高 0-0 FC東京U-18 グラスポ]

 特に後半、ゴール前、サイドの局面にも人数を掛けて守る市立船橋の攻略は困難を極めた。FC東京U-18は相手に攻撃機会をほとんど与えずにボールを奪い返し、波状攻撃。だが、DF石田侑資主将(3年)を中心に守る市立船橋はゴール前で青い壁となってラストパス、侵入を許さない。各選手がハードワークを続け、1人で抑えきれなくても2人がかりで対応。FC東京U-18は幾度か決定機を作っていたが、こじ開けることができないまま試合終盤を迎えていた。

 その中で、FC東京U-18は左サイドに位置するMF角昂志郎(3年)への配球を増やしていく。仲間から託されるような形でゴールを目指した10番は1対1でも、1対2の状況でも仕掛けにチャレンジ。自分の間合いでないようなシーンでなくてもボールを奪われず、個で局面を攻略していく。

 前半から左サイドの突破口となっていた角は、この時間帯でもドリブルからのスルーパスで決定機を演出。また右サイドからのラストパスに飛び込み、決定的なシュートを放つ。体力的にキツイ時間帯でも危険な存在になり続けていた角だが、最後までゴールをこじ開けることはできず。「自分がこのチームを勝たせなきゃといけないので、何とか1点もぎ取りたかったですけれども……」と悔しがった。

 だが、試合後は「やりがいのある、良い課題を与えてくれた試合になったと思います」と前向き。「自分がチャンスをモノにできなかったシーンもあったので、申し訳ない気持ちもありますけれども、前向きに、次は決めれるようにしたいと思います」と次に繋げることを誓っていた。
 
 東京武蔵野シティFC U-15に所属していた中学時代から、FC東京U-18へ進んだ後も年代別日本代表の常連。世代を代表するアタッカーは昨年、U-17ワールドカップも経験した。一方で後悔している部分もあるという。

「中3の頃まで好き放題やっていたけれど、高1、高2までは代役のいそうなプレーばかり。自分らしさというのを本当に出せなかった。正直、あっという間の2年間を過ごしてしまったという後悔が強かったので、本当に最初は自分で仕掛けるという意識付けというのがキツかったですけれども、今は楽しくチャレンジできているかなと思います」

 現在意識しているのは目の前の試合で「一番輝くこと」だ。「この試合で自分が一番輝かないと代表にも入っていけないし、生き残っていけないと思っているので、1試合1試合大事にして頑張っていきたい」。日々の練習の成果で自信を持って試合に臨むことができている。まだまだ全てが思い通りに行くわけではない。それでも、練習・試合で出た課題を一つ一つクリアしながら成長を続けて、どの試合でも一番輝く選手になる。

(取材・文 吉田太郎)
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