beacon

昌平高3年生で4人目のJ内定!福島加入のボランチMF柴圭汰「身長の大きくない選手の目標になれれば」

このエントリーをはてなブックマークに追加

福島ユナイテッドFC入りが決まった昌平高MF柴圭汰は前日4日の前橋育英高戦でも活躍

 小さくてもできることを示す。福島ユナイテッドFCは5日、昌平高(埼玉)MF柴圭汰(3年)が21年シーズンから加入することが内定したと発表した。柴は身長162cm、体重60kgと非常に小柄だが、強豪・昌平で2年時から先発を務める実力派ボランチ。昨年度の全国高校選手権で活躍し、大会優秀選手と日本高校選抜候補にも選出されている。当初からプロ志向だった柴に対し、福島が9月下旬にオファー。柴は即決し、プロ入りが決まった。これで昌平高の現3年生のプロ入りは、ともに鹿島入りするMF須藤直輝(3年)とMF小川優介(3年)、そして新潟内定のFW小見洋太(3年)に続き、4人目となる。

 立て続けにプロ入りを決めているチームメートたちに、柴も続いた。「プロから話が来たらプロへ行くという気持ちはずっと(藤島崇之)監督にも言っていたので、そこは揺るがなかったです。徐々に(チームメートが)決まっていって、自分も焦った部分もあったんですけれども、本当にやることだけやっていればチャンスはあると思って取り組んでいたので、いつも通りやろうとしていました」とオファーを待っていた時期の心境を明かす。

 高いレベルに入れば、自分はもっともっと成長できる。中体連の伊奈町立小針中から気鋭の昌平へ進学し、成長してきた柴は「高いレベルに身を置くことで自分も自然とレベルアップすると思っているので、今回オファー頂いたことは成長するチャンスだと思っている。より高いレベルに身を置きたかったので決めました」。プロ入りの機会を与えてくれた福島で大きく成長する意気込みだ。

 そして、先輩MF鎌田大夢も所属する福島の印象については、「丁寧にパスを繋ぐサッカーを主としているチームなので、そこは高校3年間やってきたことがプラスに働くと思っている。でも、フィジカルの部分では高校サッカーと全然違うと思っているので、そこを上手く、早く順応できるようにして行けたらJ3で活躍できる場があると思っています。自覚と責任を持って、観客を楽しませるじゃないですけれども、魅力的なサッカーをチームとしても、個としてもやっていきたいです」とコメントした。

 柴という名字から“しば刈り機”の異名も持つボランチは、ボール奪取のスペシャリスト。洞察力に優れ、その豊富な運動量と判断力、球際の強さも加えて相手の攻撃の芽を摘み取ってしまう。また、技巧派揃いの昌平の中にあって本人は「あまり上手くない選手」と自己評価するが、足元の技術力も高い。正確なタッチとパスで起点に。そして、前線を追い越して行く動きで攻撃にアクセントを加える。その力は選手権や日本高校選抜候補合宿で実証済みだ。

 確かに、高校生の中に入ってもサイズ感は見劣りする。それもあってか、須藤や小見のような高い評価を受けられなかった。だが、今年の高体連でトップクラスと言えるボランチであることは間違いない。コンビを組む小川とタイプは異なり、魅せるシーンは少ないが、どの試合でもコンスタントに力を発揮し、攻守両面で重要な役割を果たし続けているのが柴だ。

 昌平の藤島崇之監督は「柴の伸びはハンパないですからね」と認め、小さなボランチに絶対的な信頼を寄せてきた。その指揮官は柴のプロ入り後の活躍を確信している。「小さいだけで動けるし、強いし、攻撃も行ける。年齢的に小さい子もそうですし、身長的に小さい子もそうですし、彼らに夢を与えられる選手になると思いますね」と推した。

 人間性についても「柴は気持ち良いヤツですよ」という藤島監督は、「人間的な器も考えて、勝負して、チャレンジして、(上に)繋がっていくイメージが湧く」。本人もJ3で成長し、ステップアップして行く考えだ。

「この身長でも戦えるという姿を見せながら徐々にステップアップしていって、あまり身長の大きくない選手の目標になれればと思っています。早いうちに試合にかかわって、より高いレベルに挑戦できるように。結果をどんどん残していかないとプロは結果が本当に全てだと思っているので、J3で結果を残して、どんどんステップして行けるように貪欲に挑戦していければ良いと思っています」。憧れは福島と提携している湘南のMF齊藤未月やMFエンゴロ・カンテ(チェルシー)。小柄でもJリーグや世界で活躍する選手たちのように、柴が“小さくてもできる”ことをプロの世界でも示す。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2020
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2020シーズンJリーグ特集ページ
●“初月無料”DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP