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新鋭・創成館が隙見せず、札幌内定FW中島の国見を1-0撃破!悲願の全国初出場へ王手:長崎

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創成館高が全国初出場へ王手をかけた

[11.3 選手権長崎県予選準決勝 国見高 0-1 創成館高 百花台公園サッカー場]

 創成館が悲願の全国初出場へ前進――。第99回全国高校サッカー選手権長崎県予選準決勝が3日に行われ、10年ぶりの全国復帰を狙う国見高と悲願の初優勝を目指す創成館高が激突。創成館が1-0で勝ち、8日の決勝(対長崎総合科学大附高)へ進出した。

 準決勝の試合会場は国見町に位置する長崎県立百花台公園サッカー場。今年は13年ぶりに高校から直接Jクラブ入りする大型FW中島大嘉(3年、札幌内定)も擁し、全国復帰への大きな期待感の中で戦う国見を“アウェー”の新鋭・創成館が上回った。

 今年は近年のポゼッションスタイルではなく、前線の中島の高さやスピードを活かして戦う国見に対し、創成館は江崎智哉(3年)と吉谷武(3年)の両CBがチャレンジアンドカバーを徹底。相手DFラインからのロングボールを前線に通さず、逆に国見の背後を突いた攻撃を繰り出す。

 国見も中島の高速プレスが相手のミスを誘ったり、ロングボールのこぼれから190cmDF山田純大(2年)がシュートへ持ち込んだりしていた。だが、試合はセットプレーやゴール前の崩しのバリエーションが豊富な創成館がより多くのシュートシーンを作り出す展開に。元長崎DFの創成館・久留貴昭監督は「(練習とミーティングを重ねて)やりたいことがようやくできるようになってきた。怖がってやれなくなったらウチのチームではないからと。そこは自信を持ってやっていますね」と説明する。

 その創成館は、前半32分にMF村田颯(2年)の落としからFW市瀬凜(3年)が右足を振り抜くと、34分にはこぼれ球を拾った市瀬がPAへ切れ込んで右足シュートを放つ。だが、国見は前半当たっていたGK木下麗司(3年)がいずれもファインセーブで阻止。逆にハイサイドへのロングボールや右WB権堂秀人主将(3年)のロングスローから押し返し、35分にはボールを持った際の怖さがあった10番MF日下部優哉(3年)がドリブルからの左足ミドルを枠へ飛ばした。

 国見は後半3分にも日下部がドリブルから強烈な左足シュートを打ち込んだが、創成館は注目の2年生GK永田健人がファインセーブ。全体的に寄せの速い創成館は好守からMF岩崎雄永主将(3年)がカウンターから独走したり、10番FW新川翔太(3年)がシュートへ持ち込んだりするなど国見ゴールへ迫り続ける。

 そして後半11分、スコアが動く。創成館は左サイドで江崎が粘り、鋭く仕掛けたMF田中翔太(3年)のクロスが国見DFのハンドを誘う。これでPKを獲得。「普段から練習をしていましたし、練習試合でもPKを蹴っていたので緊張せずにやれました」というキッカー・岩崎が、GKとの駆け引きを制して右足でゴール左へ叩き込んだ。

 先制された国見は15分、日下部が右前方へのドリブルから強烈な右足シュート。決まったかと思われた一撃は創成館GK永田が指先で弾き、クロスバーを叩く。跳ね返りに中島が反応したものの、押し込むことができない。

 リードする創成館は攻め急ぐことなく、余裕のボールキープを見せる岩崎や楔のパスを通す左SB石橋廉太(2年)らが落ち着いてポゼッション。攻める姿勢を持ち続けてシュート本数を増やし、新川の左足シュートがクロスバーを叩くシーンもあった。

 また、印象的だったのは隙の無さ。岩崎も「隙なくやれている。隙があるとやられると思っていたし、国見には中島がいて、日下部も上手い。そこは全員で声をかけて、隙を無くそうと話していました」と説明する。国見も終盤は1年生MF北村一真や権堂が相手のプレッシャーを剥がして前進。何とかPAまでボールを運び、封じられていた中島が前を向いて仕掛ける。だが、リスクを最小限に抑えて守る創成館の前に決定打を放つことができない。そのまま1-0で試合終了。創成館が5年ぶり2度目となる決勝進出を果たした。

 創成館の久留監督は就任10年目。3年目で県大会初白星を挙げ、5年目でインターハイ予選と選手権予選決勝進出、9年目でプリンスリーグ九州を経験させてきた。年々チームの土台が大きくなる中、理想のチームに近づいて来ていることを認める。「それはあるかもしれないですね」。堅守速攻だけになっていた部分が相手を見て、剥がすこともできるようになってきた。

 インターハイ予選を含めると、全国大会出場を懸けた決勝に過去4度進出しているが、いずれも敗れている。そのチームが今年こそ、歴史を変えるか。指揮官は「落ち着いて自分たちのサッカーをやるのみ」と語り、岩崎は「あと一歩なので部員全員で勝ち抜きたいです。去年と一昨年も自分は出て、先輩たちの涙を目の前で見てきた。先輩たちの思いまで背負って、今年は必ず全国に出たい」と誓った。大津高(熊本)に敗れたのを除くと、九州各県上位校との練習試合で連勝するなど自力は十分。王者・長崎総科大附にも自分たちのサッカーで挑戦し、全国への扉を開く。

(取材・文 吉田太郎)
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