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コロナ禍の中、進化した「アマチュア版セレクション」が開催!!

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この日は86選手が参加しパフォーマンスを披露。視察チームのスタッフはスタンドから熱い視線を送った

 11月14日(土)、滋賀・甲賀市陸上競技場において「合同セレクション2021関西①」が開催された。これは関西1部リーグに所属するおこしやす京都ACが主催するアマチュア選手を対象にしたトライアウトであり、今年度で10回目を数える。翌シーズンの所属先を探す様々なカテゴリーの選手たちが一堂に会し、そのプレーを視察チームのスタッフがチェック。お眼鏡にかなう選手がいれば、その場で自由に加入交渉を進められるため、関係者からの評価が高いイベントでもある。

 これまで2015年度には原口祐次郎がSP京都(JFL、当時)から藤枝MYFC(J3)へ、17年度にはリ・チェグンがFCコリア(関東2部、当時)から藤枝MYFCへの加入を決めているほか、都道府県リーグや地域リーグのチームを経てJFLへとステップアップを果たしたケースも数多い。

 昨年度は関東、関西、東海で各1回の開催だったが、今年度は同じ3地区で計5回の開催が予定されているほか、例年は12月や1月に開催されるケースが多い中で、今年は11月中旬に初回の開催を迎えた。この狙いを、おこしやす京都AC総務部の高橋千春氏は以下のように話す。

「今季は新型コロナの影響でリーグ戦が早く終了する社会人クラブも多く、また大学生も進路先を決める上でチームへの練習参加がなかなか進められなかったと聞いていました。その中で、早い時期からセレクションの機会を設け、また回数を増やすことで、進路を探せる選手が1人でも増えればという思いがありました」

 実際、昨年度は延べ147人だった参加選手が、今季は11月13日時点の申し込み数ですでに288人にのぼっている。トップカテゴリーには届かないが、それでもサッカーを続けたいと志す選手にとっては、貴重なアピールの場になるのは間違いないようだ。

 この日は定員の上限である88名が申し込みを行っており、当日のキャンセルを除く86名が参加。約半数が地域リーグや都道府県リーグに籍を置く(また今季置いていた)選手であり、大学4年生も30名近くが参加した。唯一Jリーグでのプレー経験を持ち、最年長(30歳)でもある土遠修平(元グルージャ盛岡)は、「自分の中でまだまだ続けられるという思いがあるうちは辞めたくないです」と、現役への強いこだわりをのぞかせた。

 また、海外でのプレー経験を持つ選手が多く参加したのも今季の特徴といえそうだ。ドイツの7部リーグでプレーしていたという河村啓仁は「新型コロナウイルスの影響で4月に帰国して、最近までドイツでプレーするか日本に残るか迷っていましたが、ドイツがロックダウンしていることもあり、最近になって日本でやることに決めました。いろいろなチームが視察に来ていて、今日はすごくいいチャンスを与えてもらいました」と振り返った。

 視察に訪れたのは、いわきFC、FC大阪、MIOびわこ滋賀などのJFL5チームを含む32チーム。例年で延べ100前後のチームが視察を行うというが、その中心は地域リーグや都道府県リーグに所属するチームだ。今年は新型コロナの影響も踏まえ、試合を撮影した映像での視察も可能になっており、ヨーロッパやアジアなど海外クラブとのつながりがあるエージェントも、この映像視察を行うことが決定。海外でのプレーの可能性も広がっている。

 30分ハーフで4試合が行われたこの日、参加選手は60分の中で自身の持ち味を精一杯アピール。終了後は、視察チームのスタッフが選手に声をかける姿が至るところで見られた。このあと、12月6日(日)に関西②、13日(日)・20日(日)に関東①②、東海(日程・会場未定)でも、選手たちのサッカーへの思いがこもった熱いプレーが披露される。

 詳細は[ツイッター「合同セレクション2021@gosele_2021」]、[おこしやす京都AC クラブ公式HP]にて。


(取材・文 星野有治)

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