beacon

松本内定の流通経済大DF野々村鷹人が滋賀で記者会見。母校・綾羽高の紅白戦にも参加し、後輩へ刺激も

このエントリーをはてなブックマークに追加

松本山雅FC内定の流通経済大DF野々村鷹人が母校・綾羽高で会見・激励会などに出席。この日のために作成された横断幕とともに記念撮影

 流通経済大DF野々村鷹人(4年)が30日、母校・綾羽高(滋賀)主催の松本山雅FC入団内定会見に出席した。野々村は、「来季から松本山雅FCという素晴らしいクラブで、プロとしてのキャリアをスタートできるのを嬉しく思う。もっと綾羽高校を松本の人たちに知ってもらうために、活躍したい」と意気込みを口にした

 野々村は、競り合いと対人守備の強さを備えた183cmのCB。中学まではFWでプレーしていたが、高校に入ってからCBにコンバートされた。綾羽の岸本幸二監督は、「1年目の頃は自分のことで精いっぱいだったけど、2年生、3年生になるにつれて改善されていった。3年生になってからは、DFリーダーとしての自覚が芽生え、選手としての大きく成長した。自分を磨くということを誰よりも努力していたので、『プロを目指したい』という言葉が嘘ではないと思った」と振り返る。

 流通経済大では、同年代で一番早くAチームデビューを果たしたが、2年目はJFLで戦うセカンドチームでプレー。しかし、Aチームを破って天皇杯出場を果たすなど存在感を示すと夏以降はAチームに返り咲き、主力として欠かせない選手になった。

 例年の松本は、江原俊行スカウトの目に留まった選手を練習参加させた上で獲得のオファーを出すのが流れだが、コロナ禍の今年は各種大会が中止となり、Jリーグからの通達で練習参加にも呼べない時期が続いた。

 そうした中で、江原スカウトは6月に始まった関東大学サッカーリーグで視察を重ね、「この選手は通用する」と判断し、オファーを実施。野々村は真っ先に声を掛けてくれた松本の熱意に惹かれ、入団を即決した。「すぐに返事をくれた彼から、男気を感じた」と話す江原スカウトは、「CBとして大事な対人の強さや、ヘディングで勝てるのが強み。さらに磨きをかければ、上のカテゴリーでも活躍できると思う」と大きな期待を寄せる。

 ルーキーとしての気負いは、野々村に見られない。「試合に出るのは難しいと思うけど、1年目から試合に絡めるよう努力していきたい。チーム数が多い中でJ1に上がるのは本当に難しいことだと思うけど、大学の先輩である飯田真輝さん(昨年まで松本でプレー。現・FCマルヤス岡崎)の後を継げるように、松本山雅FCをJ1に導ける選手になりたい」と口にする。

 プロの世界で対戦したい選手は、大学1年目に出場した試合でマッチアップしたFW上田綺世(現鹿島、当時法政大)と明治大FW小柏剛(札幌内定)の同級生2人。「特に昨年から、プロの世界に進んだ上田とは、また試合がしたいと思っていた。鹿島はJ1にいるので、松本をJ1に上げて対戦できる日を楽しみにしている」。

 会見に先立ち、62人の綾羽部員による激励会と、野々村のプロ入りに合わせて作成された横断幕もお披露目された。激励会では、現役部員からの質問コーナーも行われ、「今までのサッカー人生で大事にしてきた物は何ですか?」というDF小西祐汰(3年) らの質問に答える場面も見られた。「高校時代から自分の武器は大事にしてきた。高校時代から、岸本先生に教わったヘディングを大学でも大事にし続けたから、プロになれたと思う。それだけでは通用しないので、大学からはフィジカルの部分も意識的に取り組んだ。その二つを武器にし、松本山雅FCでも成長していきたい」と一つひとつの質問を親身になって、答える姿が印象的だった。

 入団内定を終えてからは、綾羽の練習に参加。紅白戦に加わり、汗を流すと共に後輩たちの相談にも乗った。チーム初のJリーガーとなった野々村との触れ合いは選手にとって大きな刺激になった様子で、MF川村洸大郎(2年)は「野々村さんの話を聞いて、常に努力している選手がプロに行けるんだと感じた。ゲームでは自分たちが普段まったく見れていない場所が見れていたり、ボールを失わない部分にレベルの高さを感じた」と口にした。野々村にとっても、やる気に満ちた後輩との触れ合いがプロの世界での活躍するための活力になったことは間違いない。

(取材・文 森田将義)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2020シーズンJリーグ特集ページ
●“初月無料”DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP