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浦和MF武田英寿が“11か月ぶりの埼スタ”でJデビュー「このピッチにやっと立つんだ」

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浦和レッズMF武田英寿

[12.12 J1リーグ第32節 浦和 0-0 湘南 埼玉]

 こんなルーキーを、浦和レッズのファンは待っていた。0-0の均衡が続いていた後半41分、J1デビューのピッチに立ったMF武田英寿は、「交代のところに立って周りを見渡したらサポーターがユニフォームで赤く染めてくれていた。このピッチにやっと立つんだ、絶対にやってやるんだという気持ちになった」と熱い思いで走り出した。

 ピッチに立つとすぐにボールに触わり、リズムをつかんだ。同43分にはFW興梠慎三へラストパスを供給してチャンスをつくり、試合終了間際にはドリブルから左足でミドルシュート。相手GKに止められたが、得点の可能性を感じさせるシュートでスタジアムに強い印象を刻んだ。

「トップ下という形で、守備の負担がなく攻撃に専念できるように入れてもらった。短い時間(実質約10分間)だったがシュートも2本打てた」

 11か月ぶりの埼スタのピッチだった。青森山田高3年で出場した第98回全国高校選手権。背番号10の武田は、初戦から決勝までに4ゴールを挙げる大活躍を見せた。静岡学園との決勝では5万6025人の観衆の前でPKを決めた。

 今季は浦和でプロ1年目のシーズンを過ごしてきたが、細身のボディはまだまだ発展途上だ。練習ではボランチや右サイドハーフでプレーすることが多いが、プロの厳しい寄せの中で技術を発揮するにはもう少し時間がかかるとの大槻毅監督の判断で、湘南戦での出場を目指してより攻撃的なトップ下のポジションにトライ。直近の練習試合で試され、今回の出場機会へとつなげた。

「出る時は攻撃を求められていると思っている。いかにチャンスをつくり、自分でシュートを打てるか」。そう語るように、攻撃的な姿勢が根幹にある。

 名前の由来は元日本代表・中田英寿。チームメートから「ヒデ」と呼ばれている武田は「残り2節で、ここまで努力してきたものを見せていければいい。これから浦和レッズを引っ張る選手として良い印象で勝利に貢献したい」ときっぱり言った。

(取材・文 矢内由美子)
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