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[MOM3334]前橋育英FW高足善(1年)_芸術ゴールで横山杯V貢献!「まさか自分とは…」“爪痕”残して大会MVP受賞

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大会MVPに輝いた前橋育英高FW高足善(1年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.28 横山杯決勝 習志野高 1-1(PK4-5) 前橋育英高 若松競技場]

 その1本に込めていた。前橋育英高(群馬)のFW高足善(1年)は前半24分に裏への飛び出しから鮮やかなループシュートを決め、先制ゴールを奪取。「ここで決めないとチームが勝てないと思った」。得点シーン以外でも前線からの迫力あるプレッシャーや効果的なフリーランニングが高く評価され、大会MVPを受賞。3年ぶり4回目の優勝に貢献した1年FWは「まさか自分とは思っていなかったので本当に嬉しいです」と二重の喜びを味わった。

 準々決勝の帝京安積高(福島)戦(3-3、PK6-5)、準決勝の横浜創英高(神奈川)戦(4-0)と、いずれも複数得点で勝ち上がってきた前橋育英だが、この日の決勝はゴールが遠い展開。ハイプレスやパスワークで押し込もうとする習志野高(千葉)に苦戦を強いられ、立ち上がりからスコアレスの時間が続いた。

 その中で落ち着いて相手の守備を観察し、ゴールまでの道筋を探っていたのが高足だ。「相手は前からずっと来ていた。前に来ていると裏が空いたりするので、一発あるかなと思ってそこを狙っていた感じです」。前半24分に自身のイメージしていた場面が訪れると、そのチャンスを逃すことはなかった。

 PA付近で前を向いたMF渡辺亮平(2年)が裏へふわりと浮かせたパスを供給。「自分は1本のパスに集中していた」。タイミングよく背後を取った高足は「冷静にGKが出てきたのを見れていた」と、PA内右から右足でループシュート。GKの頭上を越えたボールが左のサイドネットに吸い込まれ、芸術的な先制点となった。

 相手の急所に潜り込んでいくプレーは、高校に入る前から得意としている。「中学生の頃から自分はシャドーをやっていて、相手の嫌なところも分かっています」。そのポジション取りのうまさで先制後もゴールに迫っただけでなく、「受けた後に考えるというのもコーチからずっと言われていた」と、味方とのコンビネーションでも好機を生み出した。

 自身が交代で退いた後にチームは同点に追いつかれたものの、PK戦を制して3年ぶりの優勝を達成。「今日は(大会)最終日なので、最後にやってやろうという気持ちで取り組みました」。決勝で大きな爪痕を残した高足は「(関東Rookie Leagueでの課題だった)決め切るところはできたので、あとは基礎的なところ」と次のテーマを掲げ、今後のトップチーム定着、そしてインターハイと選手権での全国制覇に視線を向けた。

(取材・文 阿部哲也 取材協力 スポーツマネジメント)
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