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今大会最速21秒弾!山梨学院MF石川は無観客試合で届いた仲間の声も力に

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前半21秒、山梨学院高MF石川隼大が先制ゴール

[1.9 選手権準決勝 山梨学院高 2-2(PK3-1)帝京長岡高 埼玉]

 電光石火の一撃だった。山梨学院高は、試合開始わずか21秒でMF石川隼大(2年)が先制ゴール。敵陣中央でロングボールの小さなクリアを拾ったFW野田武瑠(3年)が、思い切り良く右足を振り抜く。右ポストを叩いたロングシュートの跳ね返りをFW久保壮輝(3年)が狙うと、最後はこぼれ球に走り込んだ石川が右足で決めた。

「帝京長岡は(山梨学院の)自陣で守備の切り替えが速いので、シンプルに相手の裏をロングボールで突くという狙いでやっていた。それで立ち上がりに狙って得点することができたので良かったです」と石川。1回戦(対遠野高)で神戸弘陵FW松野隼輝(3年)が決めた25秒弾を上回る今大会最速ゴールで山梨学院を勢いづけた。

 その後も切り替えの速い攻守でチームに貢献した石川だが、相手の攻勢が続いて迎えた後半33分にPKを献上。これで同点に追いつかれてしまう。ショックは大きかった。それでも、チームメートからの声によって、気持ちを切り替えることができたという。大観衆の中であれば、通らなかったであろう声。だが、無観客試合だったからこそ、仲間の声をしっかりと聞くことができ、その声を力にした。

「声が通るのでミスとか声でカバーしろと言われていた。自分もPK与えたけれど、声で立て直すことができて勝ちに繋がったと思います」。また、長谷川大監督も「(普段ならば)かき消される声も今年は通る」と分析していたが、2-0から追いつかれ、相手や会場の雰囲気に飲まれなかったのは無観客試合だったかもしれない。切り替えて残り時間で3点目を奪われなかったことで引き寄せた勝利。決勝でも会場に訪れることができない仲間や家族の思いや、無観客だからこそ届く仲間たち、恩師の声を力に戦い、白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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