beacon

[MOM719]九州選抜GK清水羅偉(日本文理大3年)_「トリニータだけを思っていても…」夢と現実の狭間

このエントリーをはてなブックマークに追加

GK清水羅偉(日本文理大3年=大分U-18)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.5 デンチャレ 関東B・北信越0-0九州選抜]

 九州選抜が体を張った守備でゴールを割らせなかった。スコアレスドローで勝ち点1を死守した九州選抜は、1位でグループリーグ突破を決めた。

 GK清水羅偉(日本文理大3年=大分U-18)が存在感をみせた。MF満田誠(流通経済大3年=広島ユース)の決定機を防ぐなど、チームの危機を幾度となく救った。日本文理大でも指導する西野晃平監督も「コーチングやシュートストップは抜群。きょうのプレーで評価も上がったんじゃないか」と顔をほころばせた。

 小さい頃からの夢はプロサッカー選手ではなく、「大分トリニータの選手になること」だった。兄の影響でスクールでサッカーを始めてからトリニータ一筋。同じ左利きで憧れの大先輩であるGK西川周作(浦和)を目標に、“トリニータの守護神”になることだけを夢に見てきた。

 日本文理大への進学も、トリニータを意識してのものだった。「近くの文理大学だったら特別指定だったり、練習参加、あわよくばすぐに行きたいという思いでした。なので他の大学を考えるまでもなく文理大を選びました」。実際、1年生のころは練習に呼ばれることもあり、狙い通りに事は進んだ。

 ただ昨年のコロナ禍もあり、だんだんと練習に呼ばれることもなくなった。現実も見ざるを得ないようになってきたことで、将来についても深く考えるようになったという。「トリニータだけを思っていても、この先自分が苦しむことになる。視野を広げて、こういう全国大会でアピールをして、声をかけていただけたらなと強く思っています」。

 昨年、日本文理大は九州大学サッカーリーグを初優勝。福岡大学や鹿屋体育大学など実力伯仲のリーグで、新たな存在感を見せ始めている。最終学年を迎える清水は、今季は主将に就任してチームをまとめる役目も任されることになった。勝負の1年。自らの可能性を広げるためにも、覚悟を持ってシーズンに臨む。

(取材・文 児玉幸洋)
▼関連リンク
●第35回デンソーカップチャレンジサッカー熊谷大会特集

TOP