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「何もできなかった」1年前…確かな成長遂げるMF旗手怜央「勝ちにこだわりたい」

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U-24日本代表MF旗手怜央

 約1年前、悔しさを味わった選手の一人だ。しかし、その後の1年間で確かな成長を遂げてきたことも間違いない。U-24日本代表に招集されたMF旗手怜央(川崎F)は、久しぶりの活動の中で“自分らしさ”を見せていこうとしている。

 20年1月にタイで開催されたAFC U-23選手権。初戦サウジアラビア戦を1-2で落としたチームは、続くシリア戦も1-2で敗れて史上初となるグループリーグ敗退の屈辱を味わった。さらに、意地を見せたかった最終戦のカタール戦も1-1で引き分け、未勝利のまま大会から姿を消すことに。

 メンバーに名を連ねていた旗手は2試合に先発出場。しかし、得点に絡むことはできず、チームに勝利をもたらすことはできなかった。「僕自身、何もできなかった。あの大会で感じたのは、勝つことに対するこだわりが足りなかった」。AFC U-23選手権は東京五輪アジア最終予選を兼ねていた大会であり、開催国として出場権を獲得している日本と、上位3チームに与えられる出場権を獲得しようとする他国との“本気度”の違いは少なからずあったのかもしれない。

 帰国後、川崎Fで迎えたプロ1年目は躍動した。J1リーグ31試合5得点の結果を残し、リーグ制覇に貢献。タイで悔しさを味わったが、あの経験があったからこそ、改めて気付けたこともある。

「1年間、フロンターレで優勝争いをする中で、内容はもちろん大事だけど、結果が出ないとチームも個人も評価されない。結果がついてくると自信にもなる」

 今季は川崎Fで左SBに挑戦するなど、新境地を開いている。U-24日本代表では主にシャドーの位置でプレーしてきたが、「ポジションのこだわりは特にない」とキッパリ。「前でも後ろでもやれる自信はあるし、どのポジションでも自分らしいプレーを100パーセント出す自信がある」と胸を張って答えた。

 東京五輪まで半年を切った。メンバーに生き残るためには日々の積み重ねが重要だと感じており、「僕に今できることはフロンターレで試合に出て、結果を残して呼んでもらえるような選手になるだけ」と語りつつ、今回の合宿に賭ける思いも当然のように強く持っている。「練習でも試合でも自分の良さを出していきたいし、試合では勝ちにこだわりたい」。1年間の成長をピッチ上で示したい。

(取材・文 折戸岳彦)

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