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復帰直後のCB増田七翔主将が気迫の同点弾。昨年度静岡王者・藤枝明誠がU-16代表候補とドロ―

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後半終了間際、藤枝明誠高はCB増田七翔主将が同点ゴール

[5.12 練習試合 U-16日本代表候補 2-2 藤枝明誠高]

 昨年度選手権静岡王者の藤枝明誠高が、28年ロス五輪世代のU-16日本代表候補相手に力を示した。細かな技術力の高さと奪い返しの速さでボールを保持して主導権を握り、2度リードされながらも2度追いついてドロー。勝ち切ることはできなかったものの、プリンスリーグ東海でチームトップの4得点(得点ランク3位タイ)をマークしているFW李度玭(3年)を欠き、怪我明けのCB増田七翔主将(3年)も先発を外れる中で年上の意地も見せた。

 この日は、昨年からのレギュラーで屈強なCB野口楓真(3年)と成長株の長身CB山本蒼太(2年)、そして松本安司監督が「勢いを持たせてくれる。リズムが良い」と評する技巧派MF渡辺翔太(3年)らAチームの選手たちが先発。前半から渡辺やMF町山亮(3年)、MF谷澤恵人(3年)が奪ったボールを正確に繋いで前進し、FW金刺聡(3年)の仕掛けなどからゴール前のシーンを作る。

 相手以上に攻めながらも1点が奪えず、逆に後半9分に失点。それでもチャンスの数を増やすと後半26分、谷澤がU-16日本代表候補の注目MF木吹翔太からインターセプトし、左のMF矢萩大雅(3年)へさばく。縦に仕掛けた矢萩の折り返しをMF香川太朗(2年)が1タッチでゴールへ押し込み、同点に追いついた。

 再び勝ち越されてしまったものの、後半途中からCBに入っていた増田が「相手は2個下なので負けたくない。何が何でも点取ってというのはチーム全体で思っていました。勝ち切れはしなかったんですけれども、最後追い上げてという形で前に上がった」と攻撃参加。ハーフウェーラインを越えた位置からスピードに乗ったドリブルで中央突破。一人でPAまで駆け上がり、PKを獲得する。これを自ら右足で決めて引き分けに持ち込んだ。

 藤枝明誠は昨年度の選手権全国16強。静岡県予選では前年度日本一の静岡学園高を3-0で破り、脚光を浴びた。3度目の出場となった全国大会でも優勝校・山梨学院高(山梨)とPK戦までもつれ込む熱戦を演じている。

 近年、MF遠野大弥(現川崎F)やFW藤本一輝(現大分)といった名手たちをJリーグへ送り出しているが、静岡学園や藤枝東高といった県内の名門校に比べると、常に力のある選手が揃っている訳ではないという。それでも、継続的にプリンスリーグ東海や静岡上位で戦い、全国にも出場。今年もプリンスリーグ東海で好勝負を続けている。ただし、静岡学園に3-4で敗れるなど、勝ち切れない試合も増えており、松本監督は「これからどう変化するか」と期待する。

 この後はインターハイ予選がスタート。選手権直後のかかと手術から復帰した増田は、「1年生の時から試合に絡ませてもらっている。今年キャプテンという形になったので、サッカーの面でチームを引っ張るということは自分がやらないといけないことですけれども、それ以上にチーム、250人いるので、(一人ひとりの顔を見ながら)全員が一つにまとまって組織になれるようにしたい」と力を込めた。

 チームのモットーは「サッカー王国・静岡復活」。静岡を獲ることが簡単ではないことも理解しているが、増田や野口、渡辺ら好選手も擁すチームは静岡制覇、全国制覇に本気で挑戦する。

 増田は「力が足りていないことは僕らも自覚しています。日本一を狙おうという意味でサッカーはもちろんですけれども、それ以外にも人間性のところを極めたりすることを自分たちは意識してやっています。(松本)監督も毎年狙いに行くと言ってくれたので、僕たちもプレッシャーはありますけれども、(全国に)3回くらい出ているのは静岡県でも何校かに限られているし、伝統校と言われるようなチームに。今年がその1年目なので、(将来へ良い)スタートができるように、責任と自覚を持ってやろうと新チームがスタートした時から言っています」。今回U-16代表候補と練習試合ができたのは、先輩たちが結果を残してくれたからだと選手たちは考えている。好成績を残した次の年の自分たちがしっかりとバトンを繋ぐこと。今年、静岡・全国で結果を残して伝統校への階段をまた一つ上がる。

(取材・文 吉田太郎)

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