beacon

U-24日本代表メンバー発表 森保監督・横内監督・反町技術委員長オンライン会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

会見に出席した反町技術委員長、森保監督、横内監督

 日本サッカー協会(JFA)は20日、6月5日にガーナ、同12日にジャマイカと国際親善試合を戦うU-24日本代表メンバーを発表した。今回の活動ではDF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(マルセイユ)、MF遠藤航(シュツットガルト)とオーバーエイジ3選手も招集されている。

 メンバー発表会見では森保一監督、今回の活動で指揮を執る横内昭展監督、反町康治技術委員長が質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

反町康治技術委員長
「五輪本大会が非常に迫ってきている。今回の活動は最終選考という意味合いが強い。この期間に非常に有意義な活動をしなければいけないと思っている。ただ、インターナショナルマッチデーは限られた日数で、しかもA代表が同じ時期に活動するということで、横内監督を中心にこの2試合を有意義なものとして、本大会につなげてもらいたいと強く感じている。期間はサムライブルーに比べると少し短いが、その分、色の濃い活動になると期待しているし、それが最終的には五輪でのメダル獲得につながるように期待している」

横内昭展監督
「いつも、ご支援、ご声援ありがとうございます。3月に引き続き、コロナ禍で難しい状況の中、国際親善試合を開催して頂くことになり、非常に感謝しております。開催にあたり、色んな方がご尽力頂いたことも併せ、本当に感謝しております。五輪まで、もう日がありません。その中での国際親善試合ということで本当に無駄にしないように、これが必ず本戦につながっていくような戦い、準備をしたいと思っている」

――オーバーエイジは五輪本大会のメンバーとして確定しているのか。
森保「基本的には3人のオーバーエイジの選手に本大会も戦ってもらいたいと思っている。しかしながら、何が起こるか分からないので、その時には臨機応変に対応していく。現段階では3人で行きたいと思っている。時間がないとは言え、決定するにはどうかというタイミングも考えられる中、3人ということで、今回U-24の活動にオーバーエイジを絞って参加してもらうことになった経緯としては、オーバーエイジの選手は全てのポジションでリストアップしながら、関係者に選手の意向やクラブとの調整をしてもらっていた。オリンピックエイジにとっては最終段階まで競争だと思うが、オリンピックに出るオーバーエイジ枠が競争だというのはあってはいけないと考えた。いろいろな選手たちに幅を持って準備をしてもらったが、良いタイミングで決定をして、他の選手には、できるだけ早く次に向かってもらい、シーズンが終わる選手もいるので、リフレッシュしてもらうということで、今後の活動に向けて、選手個々のメンタルに支障をきたさないようにリスペクトを持ち、選手たちのことを見させてもらわないといけないということで、このタイミングの発表になった。しかし、何が起きるか分からないので、この先、何かが起こった場合には、またお願いすることを考えていくことになると思う」

――守備の選手が3人になった。オーバーエイジの選考の意図と3人に求めることは。
森保「誰がというわけでもなく、3人に言えるのは絶対的な戦力であること。プレーを持ってチームに貢献でき、そして経験の浅い選手たちにも影響力がある選手だと思っている。プレー以外でもオン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチで行動を背中で示してくれるとともに、若い選手、経験の浅い選手とコミュニケーションを取りながら、彼らの成長を促してくれるオーバーエイジの3人だと思っている」

――この段階でオーバーエイジを呼べ、変則的な日程の中で3チーム回せるのは現体制の良さが出ていると思うが、どう評価しているか。
反町「守備的と言われましたが、今のサッカーに守備的もこうもないので、チームに最も貢献できるという視点で選んだのではないかと感じている。当然、今、森保監督が触れたように本大会でも一応考えているという強い言葉を頂いて、そのためには当然、所属クラブの了解を得ないといけないというのが、五輪の視点から考えるとそうなる。我々のJFAにはヨーロッパの拠点に優秀な人材を派遣して常駐しているので、彼らが所属チームとしっかり話をした中で了解を得ているのは間違いない。それを踏まえた上で、6月から活動できることを非常にうれしく思っている。1チーム2カテゴリーというのは、正にこうしてインターナショナルマッチデーが重なった時に、どういう活動をしていくかというところで、今後の我々の活動に良い影響を及ぼすと考えてここまでやってきている。その成果をここでも出してもらいたいし、最終的には本大会で出してもらいたいと感じている」

――このチームのキャプテンを吉田選手にするのか、これまでどおり中山選手で行くのか。
森保「キャプテンについては、A代表のキャプテンがU-24の活動にも加わるので、そこを基本として考えていきたいと思っている。これまでU-24の活動では、中山雄太がキャプテンとして中心に頑張ってくれていたので、最終的には決めていないが、チームの中心として、また、チームを支える、まとめる役割を担ってもらいたいと思っている。まずは選考の場であるので、選ばれるためにこれまで積み上げてきたものをすべて6月の活動で発揮してもらいたいと思っている」

――今回は27人だと思うが、この中から基本的に五輪本戦の18人を選ぶのか。ワクチン接種の問題もあるので、幅広く選ぶわけにはいかないと思うが。
森保「五輪本大会に向けての選手選考というところだが、まずは6月の活動を基本的な、五輪に向けての選考の場と考えているし、同時にオーバーエイジの選手を含めて、強化の場と考えている。それに加えて、いま質問でおっしゃられたとおり、全てここで決められるということでもない状況が生まれる可能性もある。その場合は、さらにラージリストはあるので、その中から力のある選手を、状況に合った力のある選手を招集することもあり得ると思っている」

――オーバーエイジでは、大迫勇也選手の名前も取り上げられ、前線の強力な個という考え方もあったと思うが。
森保「オーバーエイジの考え方は、先ほどもお話したように、すべてのポジションでリストアップし、これまでの我々の活動の中でオーバーエイジも含めて、東京五輪に向かうチームの選考をするという考え方で、その時の状況、状況で、どこのポジションにオーバーエイジの選手を起用することがチームにとって一番良いのかということを、毎回の活動、スタッフミーティングでは話してきて、決まったものはない形できていた。それは、A代表で常連としてレギュラークラスとして戦っている選手は、アンダー世代の選手たちの中に入れば、すべての選手のプラスになると考えられるので、状況は日々変わっていたというか、毎回議論は変わっていた。今回の3人に決めさせてもらったのは、試合を安定して戦うこと、反町委員長も話したように、守備的なポジションをこなす選手ではあるが、GKから、DFラインから攻撃を仕掛けようというときに、攻撃の部分も担ってもらえることは、攻守両面においてできる選手たちということで考えた。先ほど言ったとおり、安定してリーダーシップを取ってくれ、安定して戦うことで、経験の浅い五輪世代の選手たちが思い切って自分たちのプレーを発揮できるようにということで貢献してもらえるのかなと考えて決めた」

――ガーナ戦は五輪で戦う南アフリカ、フランスを想定しても意味のある試合になると思うが。ガーナ戦で得たいもの、試したいものは。
横内「国際親善試合を組むにあたり、アフリカ勢とぜひやっておきたいとリクエストをしたし、実際にガーナと対戦できることは、大会前にできることは非常に意味があると思っている。アフリカの選手たちは身体能力が高く、想定外のプレーをしてくるので、そういう相手と今回やれるのは、本番前にやれるのは我々にとってプラスなことだと思っている。海外でプレーしている選手が増え、アフリカの選手を目の前にしてプレーしている選手が多いと思うが、国内の選手はそういう経験が少ないと思うので、いいシミュレーションになると思っている」

――今回は2試合あるが、全ての選手を使おうと考えているか。それともベストの選手を使うのか。
横内「競争は常にあるものだと思っている。今回だけでなく、これまでの活動の中でも競争はあった。その中で選手選考というか、試合に出るメンバーを決めていきたいと思っている。確実にこの2試合に、確実に試合に出られる保証は僕の中にはないと思っている」

――FW4人が国内の選手だが、どのようなところが選考のポイントになるか。
横内「今回来てもらうFWの4人は、自分のチームでしっかりプレーしており、自分の良さを発揮してくれている4人を選んだ。彼らが、この代表チームで、自分の良さをどれだけ出してくれるか、かつ国際親善試合という、海外の選手相手にどう良さを出してくれるかを楽しみにしているし、期待もしている」

――吉田麻也選手、冨安健洋選手が入ったが同時に使う予定か。他のメンバーとの組み合わせを試したいのか。
横内「現時点では両方試したいと思っている。ちょっと欲張りな感じで今は思っている」

――オーバーエイジの3選手は五輪経験を持つ選手だが、経験値も選んだ要因に入っているのか。経験があることで期待していることは。
森保「全体的にオーバーエイジをリストアップしている段階では五輪経験があるという選手だけでなく、A代表で、世界の舞台でしっかりプレーできている選手をリストアップしたので、五輪経験があるからリストアップ、最終的に決めたわけではない。あくまでもチームにとってということで、現段階のチームということで考えた。彼らは実際に五輪を経験しているし、メキシコの銅メダル以来の日本歴代で最高のベスト4、準決勝まで駒を進めた経験を持っていたり、直近のリオ五輪を経験した選手ということで、我々が普段戦っている舞台である、A代表のW杯の舞台とは別で、独特の雰囲気が五輪にはあるのかなと思っている。五輪はサッカーの競技で戦うが、他の競技団体とも接点がある中、レギュレーションが違ったり、今回も我々が目標としているところまで戦うには、6試合を18人で戦わなければいけないのは、普段のレギュレーションとは全く違う戦いをしないといけない。彼らはそういう経験を持っている中で、チームに好影響をもたらしてくれると思っている。そういった意味では、最後選ばせてもらった3人のオーバーエイジの選手たちが、五輪の厳しい戦いを知っているというのはチームにとって、経験の浅い若い選手にとって、非常にプラスになる人材ではないのかなと思っている」

――U-24が6月12日にジャマイカと対戦するが、6月3日にA代表と対戦したジャマイカがそのまま残るのか。いろいろな対戦相手を想定したと思うが、ジャマイカに決まった経緯は。
反町「まず、皆さんに謝らなければいけないと思っている。以前から6月は五輪に出場する国とやりたい、そういう国にあたっているという発言を強がりで言ったが、なかなか……。当然、ほとんど参加する国とは話を進めてきた。ドローが4月中旬にあって、そこから試行錯誤した中で、最終的には今回の対戦相手に決まった。やはり、新型コロナウイルスの感染拡大、感染の影響もあり、なかなか思いどおりに進まなかったのは理解していただきたい。その中でも強豪の国とやって、自分たちの力、本大会に向けての強化というミッションの中で話を進めてきた。U-24ガーナは、アフリカで出場するのは3チームだが、ベスト4に入ったが3枠に入れなかった1チームであるので、実力は参加する国と遜色なく、かなり力を持った選手が多い。25歳以上という言い方ですかね、いわゆるオーバーエイジでの枠もOKだとこちらは言っているので、そうした選手も入ってくるかもしれない。リストが上がってきていないので、ここで明確には答えられないが、現時点で、その世代も含めてベストなメンバーで来ていただく。先ほど横内監督も言っていたが、五輪のグループリーグ初戦が大きな位置を占めるのは間違いないので、アフリカのチームとやりたいというリクエストも踏まえた中で決めた。ジャマイカは、他のチームもいくつかある中、カテゴリーを越えてやっていただくことで、ジャマイカのサッカー協会に感謝したいと思っている。非常に力のあるチームであり、サムライブルーと試合をした後になるが、彼らも日本に来たということは、強化をするために来ているのであって、彼らにとってもウィンであり、我々にとってもウィンであり、お互いにウィンウィンという形で話をさせて頂き、快諾してもらった。やはり、そういうチームとできることを嬉しく思っているし、2つのサッカー協会に感謝している。それが最終的に本大会でいい成績を残すことにつながると強く確信して、マッチメイクをしたと捉えてもらえればと思う」

TOP