U-24日本代表を率いる森保一監督は11日、翌12日にヨドコウ桜スタジアムで開催されるキリンチャレンジ杯U-24ホンジュラス代表戦の公式会見に出席し、意気込みを語った。

　ホンジュラスは北中米カリブ海予選で決勝に進出。決勝では、五輪本大会で日本と同組に入るメキシコと対戦した。1-1で迎えたPK戦で敗れはしたが、2位で東京五輪本大会出場を決めている。“仮想メキシコ”とも言える一戦に向け、指揮官は対戦相手の印象を「個々の力は非常にしっかりしていて、フィジカル的にも強く、技術的にも優れている選手が多い」と語りつつ、テーマを掲げた。

「攻守のコンセプトの確認。選手たちがピッチ上で共有してくれることを見ていきたい。あと、本大会のメキシコ戦を考えると、個々の局面で相手を上回ることを試合の中で確認したい。かつ、我々の良さである組織的に戦うところ、連係、連動の部分を、強度を強く戦ってくる相手との対戦で、選手たちには感覚を合わせてほしいと思っている」

　チーム立ち上げから約3年半、積み上げてきたものがある。5日からの静岡合宿もハードにこなし、ブラッシュアップさせてきた。そして、高温多湿な日本の夏場に開催される東京五輪では「無駄な体力のロスはない方がいい。我々ができるだけボールを保持して戦い、相手を動かすことができれば有利に戦える」と話しつつ、「ボール保持だけに走らないように気を付けないといけない。優先順位を持って考えなければいけない」と続けた。

　攻撃ならば、ボールを奪った時点で「できるだけ相手ゴールに向かってのプレー。縦に速くプレーすること」を優先させながら、縦に行けなければ「横や後ろを使いボールを保持して、相手のディフェンスラインを崩していく」。そして、守備ではボールを失えば、「奪い返せるなら奪い返しに行く」ことを優先させつつ、「奪えなければ、コンパクトなブロックを作って相手の攻撃を限定していく」というように、「これまでやってきたことを、しっかり優先順位を持ってやりたい」と考えている。

「何か特別なことをやっているわけではない。ノーマルフットボールをしっかり実践できるように。夏場の戦いをノーマルフットボールにプラス、試合の状況に応じて発揮できるように賢くプレーしてほしい」

　東京五輪本大会初戦・南アフリカ戦まで10日で迎えるホンジュラス戦。17日には、本大会前最後のテストマッチとなるU-24スペイン戦が控えている。

(取材・文　折戸岳彦)

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