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U-24日本vsU-24ホンジュラス 試合前日の森保一監督会見要旨

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U-24日本代表の森保一監督

 U-24日本代表を率いる森保一監督は11日、翌12日にヨドコウ桜スタジアムで開催されるキリンチャレンジ杯U-24ホンジュラス代表戦の公式会見に出席した。

 以下、会見要旨

――東京五輪初戦まで10日での親善試合。ホンジュラス戦のテーマは。
「まずは五輪に向けてチームが始動してきて、昨日までキャンプという形で準備をしてきた中で、攻守のコンセプトの確認という部分で選手たちがピッチ上で共有してくれることを見ていきたい。トレーニングキャンプで大学生と練習試合を1試合やったが、ゲーム勘を戻そうと選手たちに話していたが、明日のホンジュラス戦で相手チームのレベルが上がった中で、本大会に向けてのゲーム勘だったり、ゲーム体力の部分も個として、チームとして上げて行ければと思う」

――練習試合で海外組が予想以上の暑さを口にしていたが、海外組の状態をどう見る。
「海外組の選手はほとんどが、前回の東京五輪チームの活動からチームとしては1か月位活動していない中で、オフを挟んで、コンディションを自主トレで、チームのトレーニングキャンプで上げてきたところは順調に本大会に向けて、コンディションは上がってきていると思う。彼らはヨーロッパで活動し、キャリアの長さは人それぞれ違うが、ヨーロッパでの生活が長くなっていて、夏場の日本の高温多湿なところは、少しコンディションを作っていくには難しい体質に変わってきているかもしれないので、選手にとってはきつい部分があるのかなと。トレーニングも密度が濃い、量的にもかなりハードにトレーニングしているので、選手としては大変な部分があると思う。ただ、選手が暑さやきつさを感じる部分においては、コンディションを崩すことになったらいけないが、ぎりぎりのところで、本大会に向けて良いコンディションを作れるように、厳しい環境の中、プランして、そこで選手たちが積極的にトライしてくれていると思う」

――これまでと違った暑さ対策は。それは順調か。
「チームでこれまでの五輪とどういう暑さ対策の違いがあるかは、以前のことをすべて把握しているわけではないので、比較できないが、選手たちの練習後のクールダウンの部分で少しでも冷やせるように、飲料であったり、摂取するもので体内で冷やせるようにということと、アイスバスは以前もやっていたと思うが、そういう形で選手たちには少しでもトレーニング後、体を動かした後に、体を冷やせるように、回復できるようにということで対策している。逆に発汗するために、トレーニングの中では、時間を元々夕方練習する予定だったが、少し時間を早めて、少しでも暑い中でトレーニングすることだったり、選手個々にお風呂に入ったりとか、逆に暑さに慣れることもチームとしてはやっているし、選手個々もやってくれている」

――森保監督自身の暑さ対策は。
「特にこれと言ってあるわけではないが、よく食べることと、休むときはしっかり休んで体調を回復することです」

――夏は好きですか。
「大好きです。僕は現役時代から、あまり技術的には高くないけど、体力勝負していたので。最後、自分の方が走り切れると思ってやっていたし、夏は大好きです」

――90分ゲームから離れている選手が多い。ホンジュラス戦、スペイン戦のどちらかで90分出すことは。
「決めているわけではないが、ホンジュラス戦、スペイン戦を使って、選手たちには長い時間プレーしてもらうことを、チーム全体でうまくローテーションさせてやっていきたいと思う。90分、1試合通して、高温多湿な中、選手たちには一度プレーしてほしいと思っているところはもちろんあるが、招集から本大会までにというのは、時間が限られているし、Jリーグ組はシーズンの中で疲労を取りながらコンディションを上げていかないといけない。Jリーグ組はゲーム体力はあまり心配ないと思うが、海外組は6月12日のジャマイカ戦からゲームをやっていないので、そこは90分、時間があればやってもらうことも考えているが、90分プレーしなくても、ある程度長い時間プレーできれば、十分トレーニングしているし、コンディションを落とすことなく、良いコンディションで五輪開幕を迎えられると考えて、結論的に言うと、90分プレーしなくても、少し長い時間プレーしてくれるように環境作りすれば問題ないと思う。これまで選手たちがやってきた積み上げがあるし、トレーニングキャンプでも積み上げてこれているし、チームとしてもコンセプトはトレーニングを見ても、大学生との練習試合を見ても、選手たちは活動がなくなってゼロになっている感じではない。これまでやってきたことを自信を持って準備してもらい、できる限りのプレー時間で大会に臨むということで。与えられた条件の中で、少しでもベストな体調を作って、結果を出す。これまでやってきたことを自信持って準備し、試合に臨んでもらいたいと思う」

――ホンジュラス戦は仮想メキシコということでマッチメイクしたと思うが。
「対戦相手のホンジュラスを見たときに、個々の力は非常にしっかりしていて、フィジカル的にも強く、技術的にも優れている選手が多いチームだという印象を受けた。そういった意味で本大会のメキシコ戦を考えると、個々の局面で相手を上回ることを試合の中で確認したい。選手たちにも確認してほしい。かつ我々の良さでもある組織的に戦うところ、連係、連動の部分を、強度を強く戦ってくる相手との対戦で、選手たちには確認して、感覚を合わせてほしいと思う」

――背番号10が堂安選手がなったが理由は。彼に期待すること。
「背番号については私はノータッチなので、選手たちとマネージャーが話をしてもらって、こちらが一方的に決めるのではなく、選手個々にもいろいろな思いがあるので、話をつなぎながら決めてもらっている。律については、彼は非常に向上心があって、いい意味で野心がある選手だと思うので、自分のために、チームのために、この五輪で全力で戦ってもらい、チームの勝利に貢献してくれる、チームが大きな成果をあげる中で力を発揮してもらいたい。律だけでなく、この五輪で我々が考えている、選手たちに考えながらやってもらいたいのは、結果を出して自分の価値を上げる。自分の価値を上げ、日本のサッカーの価値も上げる、世界に認められるようにということで、日本のサッカーの価値も上げるということ。サポーターや国民の皆さんに結果や戦う姿勢を見て、喜んでもらうところ。
自分のことをまずやること、それが自然とチームのためになる、そして我々を応援してくれている方々のためにもなること。選手たちにはそういう考え持って、五輪に臨んでほしいと思う。律は常に負けず嫌いで、勝ちたい、少しでも上に行きたい気持ちを持っていると思うので、まずは自分で実践してもらい、周りにも刺激を与えてくれればなと思う」

――マイボール大事にと強調している。暑い時期でのボール保持することの大事さ。
「今練習をやっている暑さよりも本大会の方がもっともっと暑い中で戦わないといけないと思うので、無駄な体力ロスはない方がいいと思う。我々ができるだけボールを保持して戦うこと、相手を動かすことができれば、我々にとって有利な戦いになると思っている。だが、その前にボール保持だけに走らないように気を付けなければいけない。これまでやってきた攻撃にしても守備にしても、優先順位をしっかり考えること。攻撃ならば、良い守備をして奪った時点で、できるだけ相手のゴールに向かってプレーすることを、パスの受け手も出し手も意識する。縦に速くプレーすることを優先順位の第一に持っておかなければいけない。それがあって、縦に行けなかった場合に横や後ろを使いながらボールを保持して、相手のディフェンスラインを崩していくように、優先順位を持って考えられるようにしたい。守備にしても同じで、まずはボールを失った後、できるだけ早くボール奪い返すことができれば奪い返しにいく。そうすることで、自分たちがまたボールが保持できて戦えると思う。切り替わった瞬間にボールを奪いに行く、ボールを奪えなければ、これまでやってきたように、優先順位を考えてコンパクトブロックを作って、相手の攻撃を限定していく、ボールを奪いにいくことを優先順位をもってやっていきたい。暑いから単純に体力を温存して戦うのでなく、アグレッシブに戦う、チャレンジすることは大前提に持ちながら、少し試合をコントロールできる状況になったらコントロールしていく。これまでやってきたことを、しっかり優先順位を持ってやりたい。これまでやってきたことも、攻守においてすべて優先順位がある中で、選手たちには働きかけていきたいと思うし、何か特別なことをやっているわけではないので、ノーマルフットボールをしっかり実践できるように。相手にとって嫌なことができるように。したたかに戦っていけるようにという部分では、夏場の戦いをノーマルフットボールにプラス、試合の状況に応じて発揮できるように賢くプレーしてほしいと思う」

――無感覚試合に決まったが。監督の受け止めは。
「できることならば、観客がいるスタジアムで選手にプレーしてもらいたかったし、そうすることがホームのアドバンテージをさらに生かせるところはある。これまでもそうだけど、色んな活動の中でとか、与えられた条件の中で、決められたルールの中で我々は戦っていくことで、ベストを尽くしていこうとやってきた。今回、無観客になったことは決まったことなので、その中で最大限力を発揮して、結果を残すことを考えていきたい。無観客での試合決定になったが、テレビの画面を通して、メディアの皆さんの発信を通して、多くの方々が我々を応援して下さっていると感じながら、選手たちには戦ってほしい。有観客であっても、無観客であっても、選手個人、チームの目標は変わりないので、環境に左右されず、目標に向かって戦っていける我々の強さを発揮できると思っている」

――ホンジュラス戦、スペイン戦は有観客で行われる。選手に何か感じてもらいたいことは。
「選手に感じてもらいたいことは、有観客でも無観客でも、我々は自分の好きなことを、高みを目指して喜びを持って、できることを今コロナ禍で、自然災害で苦しんでいる方がいる中で、自分たちが好きなことをできること、どんな条件での試合であれ、できることに喜びを持ち、幸せを感じてもらいたい。ホンジュラス戦とスペイン戦ではサポーターの皆さんの前で、応援してもらっている中でプレーできる喜びを感じながらプレーしてほしい。選手、チームとして目標を持って、これまでどおり一戦一戦、勝利を目指して戦っていく。五輪では目標に向かい、目標をつかみ取るために、チャレンジする戦いということをホンジュラス戦、スペイン戦でも選手たちに見せてもらい、自分たちの、チームの価値を上げてほしい。どんな形であっても、応援して下さる方はたくさんいて、活動の環境づくりをして下さっている方々はたくさんいることには変わりはないので、試合でのプレーを持って、見て下さっている方々に勇気や元気を届ける。選手が個として、チームとして頑張っている姿を見てもらい、日常生活で大変な思いをしている方々に励ましのエールとなるようなプレーをしてもらいたい」

(取材・文 折戸岳彦)
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