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U-24日本vsU-24ホンジュラス 試合後の森保一監督会見要旨

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[7.12 キリンチャレンジ杯 U-24日本 3-1 U-24ホンジュラス ヨドコウ]

 U-24日本代表は12日、キリンチャレンジカップでU-24ホンジュラス代表と対戦し、3-1で勝利した。試合後、森保一監督がオンライン会見に出席した。

以下、森保一監督会見要旨。

「キリンチャレンジ杯でホンジュラスという五輪に出場する強いチームと試合をすることができ、われわれが五輪に向けて良い準備をする素晴らしい機会を作っていただいたことに感謝申し上げたい。今回は有観客ということでスタジアムで応援してくださった皆さん、そしてテレビの前で応援してくださった皆さん、そしてメディアの皆さんを通して応援してくださった皆さんのおかげで、選手たちは喜びを持って試合ができた。応援に感謝したい。試合は前半に良い形でチャンスを多く作ることができ、守備の部分でもリスク管理等々スキなく試合を進められたことがよかった。選手たちはできたことをさらに上げるというところの感覚を掴んでもらいたいと思う。後半に入って相手が5人フレッシュな選手を入れてきた中で、われわれは選手交代をしなかったという部分では、相手から押し込まれるということもある程度想定していたが、そこでもなんとか前半同様、もう少し攻撃のクオリティーを出して、相手が前に出てくるところで3点目を奪えたらよかったと思う。そういう意味で反省すべきところもあった。ただ体力的に厳しいところはあったが、選手たちの多くが約1か月間くらいフルに試合をしていない中、キツい中でプレーしてもらおうというところがあった。この試合ではキツい思いをしてもらったが、体力的には五輪本大会に向けて一つ前進できたと思っている。3-1というスコアの中でピンチも多くあって、選手たちにこの厳しい戦いの中で五輪を勝っていくんだという感覚を持ってもらえたのもよかった」

――前半は良い攻守の切り替えが目立ったが、どのように受け止めているか。
「コンセプトの部分ではまだまだ上げていかないといけないところもあるが、前半の戦いの中で攻から守、守から攻という部分の良い距離感から良い攻撃に繋げるところ、攻撃でボールをロストしてももう一度すぐに回収するところを選手たちが意図を持って戦ってくれていたと思う。これからチームの距離感、攻守の切り替えはわれわれが戦う上で大きなポイントとなるので、前半の部分は良い感覚としてさらに続けてほしいと思う」

――体力面で試されるところがあると思うが、ここから上げていく部分は。
「上げていく部分は長い時間プレーできた選手がいるので、1試合戦えるだけの体力的なところは感覚として戻ってきたと思う。練習ではこれまでどおり激しく厳しくやってもらいたいが、強度をコントロールしながら、スペイン戦に向けて、本大会に向けて、コンディションを上げられるようにしたい。

――悪い時間帯にどのようなことをやってほしいか。
「後半の部分で、まずはわれわれがボールを握った時に攻撃の部分でクオリティーが出せず、ボールをロストして、相手に勢いをもたらしてしまった。相手にミスでボールを奪われて、攻撃のチャンスを与えたというところでは、もっと攻撃のクオリティーを上げていかないといけない。キツいからボールが動かないのではなく、体力的にキツい中で五輪の舞台を戦い、勝っていかないといけないので、疲労が出た時にも攻撃のクオリティーをあげて、少しでもゲームコントロールできるように、相手のゴールに向かって行けるようにしないといけない。すべてミスなしで戦うのは難しいので、まずは攻撃のクオリティーを上げて少しでもコントロールできるようにすること、また今日は失点したがロストした後も粘り強く守備をして、相手にゴールを割られないというところは修正していきたい」

――攻撃のクオリティーという点では、2列目の距離感や流動性が後半は見られなかった。日本の生命線だと思うが、出なくなった時にどう攻めようと考えているか。
「われわれがやってきたような前半の戦いをできるだけ長い時間、発揮できるようにということと、プレッシャー下でもクオリティーを発揮できるようにしていくことを、選手たちには勇気を持ってトライしてほしいと思っている。後半においては通常、2-0で試合をリードしている中で、相手はもっと出てくると思うし、今日も実際にホンジュラスもプレッシャーをかけてきたというところで、いい守備からいい攻撃にというところ、相手が出てこようとしているときにいい守備からカウンターで得点を奪うという部分。最後の3点目はそういう形だったかもしれないが、2-0の時に早い時間で、相手が出てきた時の攻撃を止めながらカウンターにつなげて得点を奪うことはさらにしたたかに。試合に勝っていけるように本大会で出していけるようにしたい」

――終盤に体力的にキツかったのは、もっとペース配分でメリハリをつけるイメージがあるのか、もしくは今日のコンディションでは計算どおりだったのか。
「計算どおりだったとは言えない。選手たちにはペース配分をあまり考えすぎることなく、まずはいま持っているものをぶつけてほしいということを話した。まずはアグレッシブに、自分たちがしっかりとアクションを起こしていくというところ、アクションの部分でコントロールを考えたり、ペース配分のことを考えすぎると、相手のゴールに向かうパワーが失われてしまうと思うので、選手たちにはまずはボールに向かっていくところ、勇気を持ってボールを動かすために相手より動いてボールに関わっていくことをしてほしいと話した。前線の選手は行けるところまでいってもらって、試合を終えて、体力を回復させて、また次の試合へということをしてほしい。実際に今日は11人の交代枠を全員は使わなかった。五輪本大会を見据えた時、暑いので、プレーにメリハリはしっかりつけないといけない。行くところ、行かないところのメリハリはつけないといけないが、攻撃の場面でコントロールをあまりに考えすぎると、相手の守備を崩すには至らないと思う。選手たちには今日のようなアクションをできるだけ続けてほしいと思っている。なおかつコントロールできるようにしてほしい」

――あえて長く試合に出す選手がいたり、コンディションを考えられて使ったという話だが、ばらつきがあるなかで、どの辺にピークをもっていくようなチームづくりをしているのか。
「ピークがどこかという部分では、まずは五輪の初戦に少しでもベストなコンディションをつくっていきたいと思う。そこからわれわれの目標としている金メダルまで6試合あるので、チームとして体力的にも戦術的にも成長しながら、なおかつ選手の状態を見てリフレッシュをしながら一戦一戦を戦っていきたいと思っている。決勝トーナメントにピークを持っていくということではない」

――仮想メキシコという意味合いもあったと思うが、感じる部分はあったか。
「まずは局面での力強さがあるということはメキシコもホンジュラスも変わらないと思う。選手たちが局面局面でバトルしてくれた部分、球際で戦ってくれた部分はメキシコ相手にも活きる感触だったと思っている。ただすべて仮想メキシコかと言われると、そうではない。ホンジュラスも来日してあまり時間が経っていないし、時差がある中で長距離移動をしてきているし、日本の湿度や気候にも慣れていないと思う。彼らが100%のコンディションだったわけではない。すべてここで勝ったことがメキシコにつながると思っていないが、局面でミスが多くなるとそこにはつけ込んでくるという部分のしたたかさ、ゲームにおける力があるなという一戦になったので、メキシコ戦にはそういうところが活きてくると思う」

――林大地がポスト役になるシーンが見られたが、あれは監督が望む形なのか。他の選手とは違う個性を見せたと思うが。
「1トップに入る選手の特徴はそれぞれ違うと思うが、スタメンで大地が出場してくれて、彼の良さを発揮しながら、チームコンセプトでもあるコンビネーションにもトライしてくれながら、チームの勝利に貢献してくれた。彼にとっても本人は得点できるチャンスもあったので、取れずに悔しい思いはあるかもしれないが、彼が背後を狙うこと、背後を狙うことで相手のディフェンスラインを下げて起点になるという部分は、チームの戦いの中で良さを活かしてくれたと思う」

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