[7.19 プリンスリーグ関西第1節 興國高 1-0 大阪桐蔭高 J-GREEN堺 S5]

　戻ってきた中心人物は、復帰初戦後「もっとできますね」と力強かった。大阪桐蔭高は「仕掛けられるし、シュートのセンスも凄い」(永野悦次郎監督)というMF奥野龍登(3年=千里丘FC出身)が約2か月半ぶりに公式戦出場。前半からキープ力の高さを発揮し、DFを剥がしてパスを繋ぐなど攻撃の中心になっていた。

　ただし、チーム全体が攻撃面で急ぎてしまっていた。頼みの奥野にボールが入るタイミングが早くなってしまい、肝心の崩しに係る回数を増やせず。奥野は「回数が全く無くて、もっと(良い形で)フリーで受けたら仕掛けられたかなと思います」と残念がっていた。

　0-1で敗れたものの、奥野は存在感。幼い頃から熱心な父親と一緒に自宅前などでトレーニングして身につけた技術力、判断力を持つMFは「自信は多分、誰よりもあると思います」と語るほどだ。インターハイ予選は欠場し、チームを応援する側に。「チームが勝ってくれることを祈って、全国では自分が日本一にできるように頑張ろうと見ていました」という奥野はインターハイで活躍し、チームに日本一へ導く意気込みだ。

　チームのために、を心掛けている。「(これまで)自分勝手、というふうになっていたので、チームが良い方向に向くように自分は行動していて、これからは自分がピッチに立って点を決めて、迷惑をかけたチームメートや監督、コーチに恩返ししていけたら良い」

　見る人に注目して欲しいポイントは、「自分の特長はドリブルで、あとはラストパスであったりアシスト、ゴールを決めることが得意やし、自分のやるべきことなのでそういうところを見て欲しいですね」。インターハイでその強みを発揮できるように、より自分を成長させて「もっとできる」ことを示す。

「全国ではチームが勝つこともそうなんですけれども、自分もしっかり活躍して、チームを引っ張って行って、自分がいっぱい点決めて勝っていけるようになっていきたいです。(今後は)チームが負けている状況でも、1チャンスとかで点を決めて追いついて、勝ち越して行けるような選手になっていきたい」。この日はまだ連係面が不足していただけに、その部分やシュートの質を高め、より怖さも表現すること。そして、インターハイで必ずチームに恩返しする。

(取材・文　吉田太郎)

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