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主役候補はさすがのプレーもわずか1試合で敗退…尚志CBチェイス・アンリ「マジ情けない」「もっとリーダーに」

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尚志高のU-20日本代表候補CBチェイス・アンリはさすがのプレーも、無失点で初戦敗退に

[8.16 インターハイ2回戦 日章学園高 0-0(PK5-4) 尚志高 日東シンコースタジアム丸岡人工芝グラウンド南コート]

「これだけ注目してもらいながら、たったの1試合で終わるなんて、本当に情けないです」

 尚志高(福島)のDFチェイス・アンリ(3年=FC湘南ジュニアユース出身)は、そう言って表情をゆがませた。チームを背負っている気持ちがあるからこそ出てくる言葉だが、それだけ強い悔いも残っている様子だった。

 個人のパフォーマンスとしては別に悪かったわけではない。対戦した日章学園高(宮崎)の原啓太監督が「九州では味わえない」「高さでは敵わないと思った」と語った運動能力の高さを活かした守備は健在で、裏へと抜け出した相手FWをコンタクト一発で吹き飛ばすなど、「そんなにやられなかった」という言葉どおりのプレーを披露。サイドのスペースへ飛ばすロングボールから攻撃の起点となる場面もあったが、結局チームとしてゴールは奪えず。PK戦でも1番手で登場して見事なシュートを蹴り込んだが、チームとしては敗戦。涙を呑むこととなった。

 今夏はドイツ・オランダの名門・強豪チームで練習参加も経験。U-19チームやU-23チームでプレーし、練習試合にも出場したが、「いける」手応えも掴んだ。

「身体能力は全然負けていないし、ロングフィードでの展開もできた。あとはゲームスピードに慣れればという感じだった」

 そこで得た自信をチームに還元し、満を持して総体に臨むイメージだっただけに、「ここで負けちゃいけないと思うし、マジ情けないです」という結果に対し、余計に肩を落とす形となった。

 そしてだからこそ、冬の選手権に向けた思いは新たにした。

「チームとしては、どこが足りないとかじゃない。もう本当に、自分を含めて全部が足りていない。それが分かった。個人としては、もっとリーダーにならないといけないと思っている」

 個人としても、チームとしても、もう一度出直して、再び全国舞台へ。チェイス・アンリと尚志高は、チャレンジャーとして冬へのリベンジを誓う。

(取材・文 川端暁彦)
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