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強い思いで「走り切るしかない」。課題改善し、動き続けた九国大付FW石松涼が国見撃破の2発

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前半36分、九州国際大付高FW石松涼が同点ゴール

[9.25 高円宮杯プリンスリーグ九州第13節 国見高 1-3 九州国際大付高]

 最後まで走り切って2得点。悔しさを胸に課題を改善してきたFW石松涼(3年=ギラヴァンツ北九州U-15出身)が九州国際大付高(福岡)を勝たせる活躍を見せた。

「久しぶりの公式戦だったので張り切っていた」という石松だが、前半は20分に失点するなど相手の流れに。それでも36分、左タッチライン際でFKを獲得すると、石松はMF岩熊唯斗(3年)がクイックで入れたロングクロスに反応する。

「(岩熊の左足は)精度良いので走ったら、ピンポイントで合わせてくれた」という石松がDFを振り切ってヘディングシュート。抜け目なくゴールを狙っていたストライカーの一撃で同点に追いついた。

 その後も前線で崩しに絡みながら、カットインからの左足シュートも。積極的にゴールを目指し、また江藤謙一監督も評価する動きでチームを引っ張った。そして、2-1で迎えた後半41分、カウンターからゴール前へ詰める形で2点目のゴール。勝利を決定づけた。

 この日は試合最終盤まで走り切って勝利に貢献。だが、以前は全く体力がなく、1年生チームでは先発しても途中交代ばかりで、2年時は交代出場が多かったという。「出れなくて、見ているだけじゃめちゃくちゃ悔しくて」と振り返る石松は、全体練習後にピッチの端から端までのダッシュや坂道ダッシュを繰り返すなど体力を向上させ、現在はフル出場できるようになった。

 体力自慢の多い九国大付の中でまだまだ走れる方ではないものの、思いが身体を動かしている。今年はチームの軸の一人だが、インターハイ予選は登録外。石松不在のチームは準々決勝で筑陽学園高に敗れた。だからこそ、走れないなんて言っていられない。「思いが強いので。走れないじゃなくて、走り切るしかない」。この日、強い思いを持って走ったFWが国見高撃破の立て役者になった。

 石松にとってリベンジの舞台となる選手権予選が開幕間近。「最後だし、本当にみんな勝ちたいという気持ちで練習しているので、出られない人もいるし、その中で自分がもし出られたら自分が決めないといけない。自分はトラップからのシュートとかシュートまでの流れを大事にしている。あと、こぼれたまも1点は1点なので、その意識とか、強く持っています」。チームのために走って、決めて、必ず優勝に貢献する。

 
(取材・文 吉田太郎)
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