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U-15日本代表候補FW磯崎麻玖が練習試合で2発。“ゴール前の常識”を変え、「1つのチャンス」で決めるFWに

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2本目28分、U-15日本代表候補FW磯崎麻玖(大宮アルディージャU15)がPKを決める

[9.28 練習試合 U-15日本代表候補 2-3 鹿島ユース Jヴィレッジ]

 1-3で迎えた3本目終了間際、U-15日本代表候補FW磯崎麻玖(大宮アルディージャU15)がこの日2得点目のゴールを奪った。「3本目は自分たち押し込まれていて、なかなか攻撃ができない状況で、1つのチャンスで決めようとシュートを打てたのが良かった」。3本目は多くの時間帯で相手にボールを保持され、チャンスはわずかな状況。だが、磯崎は右中間で前を向くと強引に並走するDFの前に出て、小さなモーションのシュートでGKの脇を抜いた。

 189cmの超大型FWは、1チャンスで仕留めるFWになることが現在の目標だ。東京五輪準決勝で日本はスペインに0-1で敗戦。日本は粘り強い守りでほとんどチャンスを作られていなかったが、延長後半10分、MFマルコ・アセンシオの一撃によって沈められた。

 磯崎は「スペインはあの1チャンスを決めて勝って、日本は決められて負けたところは自分の中で心に残っていたので、自分はスペインの選手のように、1チャンスを決めて勝てる選手になりたいなと思っています」と誓う。

 U-15日本代表候補は今回の強化合宿初日、ミーティングで「ゴール前の常識を変える」というテーマを伝えられた。東京五輪・スペイン戦の日本の枠内シュートは1本。廣山望監督は「(今回の合宿期間だけというよりも)日常でこだわって、DFの足が伸びてきている中でシュートへ持って行って決め切るところで自信をつけて帰って来て欲しい」と求める。世界大会の大一番、1点で勝敗が決まるような状況の中、相手DFやGKがいて、時間も、スペースもない中でコースへ蹴り込んで決め切る選手に。磯崎はその姿に近づく意気込みだ。

 この日は、2本目途中からの出場で同28分に鋭い抜け出しからPKを獲得。「PAに入ることはこのキャンプで自分の中で意識していて、それが実になってPKを奪うことができた」。自信を持っているPKを決めてまず1点目。また、2点目は課題だったGKとの駆け引きで「自分の気持ちを持って、四隅に打ち込むことが大切だよ」というコーチからの助言を実行して決めたゴールでもあった。

 磯崎は「途中から出場した中でも2点に絡めたというのは自分の中では良いプレーができたなと思っています。でも、守備の場面や攻撃の場面でアクションが少なかったりして、まだまだ伸ばせる部分が昨日の試合であったと思います」と満足はしていなかった。

 まだまだ課題も多いが、その一方、代表合宿での紅白戦などで結果を残していることも確か。廣山監督は「結果を出しているのは自信にして欲しいですし、武器ではあるので、今回のキャンプの中でプレッシャーの中で点を取り切るというところも含めて自分で自信をつけて変わってくる可能性はあると思います」。長身を活かしたボールに加え、足裏やかかとを多用した動きや1タッチでサイドを変えるパス、豊富なアイディアなども特長。FWロメル・ルカクやFWハリー・ケインのプレーから学ぶストライカーは、できることを増やすことに貪欲に取り組みながら、これまでの“ゴール前の常識を変えて”「1チャンスで決める」FWになってチーム、日本代表を勝たせる。

(取材・文 吉田太郎)

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