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J1にサプライズの風を吹かせている浦和MF平野佑一「僕のターニングポイントはルヴァンの川崎F戦」

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浦和レッズMF平野佑一

[10.16 J1リーグ第32節 浦和 1-1 G大阪 埼玉]

 シュート数はG大阪の8本に対して浦和レッズは20本。相手の倍以上のシュートを打ったが、終わってみれば決定力を欠いたことが響いての1-1だった。

 バックスタンドに「ASIA」の文字が浮かび上がった埼玉スタジアムで追いつかれてのドロー。後半アディショナルタイムにMF江坂任のPKで勝利を手繰り寄せたかと思いきや、その直後に相手にPKを与えてしまう試合運びのまずさはもちろん、チャンスで決めきれなかったことに課題が残る試合だった。

「本当に、もったいない試合だったと思います」

 中盤の底でリーグ戦4試合連続先発となったMF平野佑一は、「前半はヤマ君(山中亮輔)のクロスからチャンスをたくさん作れていたので、そこで決められなかったことが試合を左右したと思う」と、唇を噛むように言った。

 とはいえ、リーグ戦の中断期間中の8月6日にJ2水戸から電撃的に加入し、練習参加もほどほどに8月14日の鳥栖戦で“J1デビュー”を果たすと、そのままレギュラーの座をつかみとった司令塔は、加入から2か月ですっかり中心選手となっている。その姿は、J1にある種のサプライズをもたらしている。

 この間の自身のプレーをどのように見ているかを尋ねると、このような答えが返ってきた。

「僕的にターニングポイントになったのはルヴァンカップの川崎F戦の2試合。川崎を相手にある程度自分のサッカーが通用するということで、自信を持てた。それまでも自分の色を出そうとは思っていたが、本当の落ち着きという意味で、その2試合がターニングポイント。そこからは自分のストロングを披露できているのかなと、ピッチレベルで感じている」

 オフ期間の長期合宿を経験しないままのJ1デビューとあって、加入当初は強度や判断スピードの差にどう対応できるか未知数だったが、瞬く間に浦和にフィットした。だが、平野自身は満足しているわけではない。上を目指すためには「アシストや点を取る能力は、自分はまだまだ課題」と言う。

 さらに、「チームの中心的ポジションでもあるので」(平野)という自覚の下、リードした後の試合の終わらせ方にも言及。

「今日は最後の時間帯に、(相手がボールを)放り込んでくるのが想定内だったうえでやられた。チームとして方向性を確認したうえで、蹴ってくることに対して後ろを5枚にして固く守ったり(も必要だった)。少し安すぎる展開だったので、そこは本当に自分の反省点だと思う」

 G大阪とは10月27日の天皇杯準々決勝で再び対戦する。今や浦和に欠かせない選手になっている平野は、この日の教訓を生かす場があることを前向きにとらえているに違いない。

(取材・文 矢内由美子)
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