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フットサルで高校日本一の名手。京都共栄高MFガブリエル・エンリケが富山内定!

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カターレ富山加入が内定した京都共栄高MFガブリエル・エンリケ

 カターレ富山は20日、京都共栄高に所属するMFガブリエル・エンリケ(3年)が22年シーズンから新加入すると発表した。ブラジルの名門・サントスのアカデミーで10番を背負った経験を持つガブリエルは、「ガブリエルという名前をみんなに知ってもらいたい。富山に行ったら、いっぱい頑張りますので、応援よろしくお願いします」と富山サポーターにメッセージを送っている。

 プレーの力強さと随所で感じさせるサッカーセンスの高さからは、サッカー王国・ブラジルでも目を惹く選手だったという。自らが望んでやってきた日本では、母国にはなかった高校サッカーに全力で打ち込むチームメートたちに心を惹かれ、献身的な働きも目立つようになった。

 苦手としていた左足でも強烈なシュートを打てるようになり、試合で見せる存在感は絶大。昨年夏からは4回に渡って横浜F・マリノスの練習に参加。練習生としてエリートリーグにも出場したが、正式なオファーは届かなかった。

 高校卒業後も日本でのプレーを望んだガブリエルに救いの手を差し伸べたのが、富山だった。6月にトップチームの通訳兼アシストコーチに就任した正岡ジャイル氏は、それまで京都府内のライバルである東山高で指導していた経歴を持つ人物。4月に東山と京都共栄が対戦した際に、大活躍したガブリエルの姿が印象に残っていた同氏の薦めもあり、練習参加が決定した。

 横浜FMでの練習経験はあるとはいえ、富山に合流した当初は高校とは違うプレースピードの速さに戸惑いも見せたが、日にちを重ねるごとに適応し、長所を発揮できるようになった。「『富山に来て』と言ってくれたり、みんながとても優しかった。ブラジルのことや高校のことを聞いてくれたり、色んなコミュニケーションが取れた」こともガブリエルにとっては、大きかった。

 7月末から8月上旬にかけて行われたJFA U-18フットサル選手権大会では、大会MVPと言えるほどの活躍を披露し、チームの初出場初優勝に大きく貢献。大会を終えた直後からは、Fリーグの多数のクラブから獲得の打診を受けたが、サッカーの舞台で活躍したいという気持ちに変わりはなかった。

 富山への練習参加後は、獲得に熱心だった別のJクラブの練習にも参加した。しかし、「外国籍の選手が一人で生活するのは食事面も含めて、とても難しい。できるなら寮のあるチームに行かせてあげたかった」という京都共栄・内藤翔平監督の親心もあり、富山への加入が決定。ガブリエルは「富山から声を掛けてもらった時は、凄く嬉しかった。みんなと一緒にサッカーを楽しめたので、僕も一生懸命練習を頑張りました。来年からは試合に出られるようもっと頑張りたい」と口にする。

 プロで活躍する前に、果たさなければいけないことがガブリエルにはある。それは、これまで一度も実現できていないサッカーでの全国大会出場だ。並々ならぬ想いで挑んだ今年のインターハイ予選は、持ち味を発揮できず、まさかの初戦敗退。残る舞台は、選手権のみとなった。

「フットサルの全国大会はめっちゃ凄かったけど、サッカーの全国大会はもっと凄いはず。今年こそはサッカーでも全国大会に出たいという気持ちが、より強くなった。これまでやってきたことを全部出して、まずは京都で優勝したい」。そう意気込む彼なら、フットサルに続いて、その名を全国に轟かせても不思議ではない

(取材・文 森田将義)
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