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[MOM3615]中央学院GK小舟風雅(1年)_先輩負傷で交代出場も堂々の1年生。PK戦を楽しみ、ビッグセーブ

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PK戦4人目、中央学院高GK小舟風雅が左足でストップ

[10.24 選手権千葉県予選2回戦 中央学院高 0-0(PK8-7)千葉明徳高]

 0-0で突入したPK戦。先攻・中央学院高は1人目が止められ、3人目終了時点で2-3とリードされていた。CB山宿雄陽主将(3年)は「途中で心折れそうになった」と素直な心境を明かす。だが、重苦しい空気感のPK戦を「周りが盛り上げてくれて、楽しいというのがありましたね」と振り返る1年生。そのGK小舟風雅(1年=兵庫FC出身)が中央学院を救った。

 4人目。小舟は千葉明徳高が中央へのキックを狙ってきていることを感じ取り、意図的に足を残しながら右へ身体を傾ける。読み通りにシュートは中央へ、背番号17は左足でボールを蹴り上げてストップ。保護者・チームメートが見守る試合会場に歓声が起こった。

 この日、小舟はGK鈴木蓮汰(3年)の負傷に伴い、後半3分から出場した。元々、PK戦を得意としている訳ではない。だが、PK戦直前に鈴木から「『オマエならやれる、苦手と言うてたけれど止めれるから』、と言ってもらって、めちゃめちゃ自信になりました」。最後は千葉明徳9人目が失敗して勝利。自信を持ち、最後まで楽しみながら戦った小舟に対し、試合後は「小舟、マジ神!」など絶賛する声が飛び交っていた。

 山宿は小舟について、「めっちゃマジメです。頼れます」と説明し、濱田監督も「持っているよ」という存在。インターハイ予選では先発起用されていただけに、緊急出場にも堂々としていた印象だ。

「自分は特に何も考えずに、無駄なことを考えると緊張するので止めることだけ考えて、絞ってやっている。止めた後みんなが湧き上がる瞬間を考えて、それだけ考えてやっていました」。先輩DFのサポートも受けながら、思い切り良く飛び出して身体でシュート、ラストパスをブロック。可動域を広げる中央学院のPNFCトレーニングを「叩き込んで身体を動かして、小さいなりに止めれるところを大きくして行こうという考えでやっています」というGKは、173cmの身体を目一杯大きく活用してゴールを守り抜いた。

 千葉制覇へ向けてまだまだ厳しい戦いが続く。今後先発起用の可能性も高い1年生GKは、「今まで助けてもらった分を返せたと思うけれど、次の試合もあるので。いつでも行ける準備をしているので頑張るだけです」ときっぱり。マジメでタフな1年生GKは先輩たちのためにゴールを守り、また白星を掴む。


(取材・文 吉田太郎)
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