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[MOM3646]飯塚MF長崎偉大(3年)_怪我でインハイ不出場の悔しさ「選手権で借りを返したい」

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 高校選手権福岡県予選準決勝 飯塚1-0九国大附 ベススタ]

 決勝点はたくさん練習してきたというセットプレーから生まれた。飯塚高は後半5分、右サイドで獲得したCKをMF吉田龍介(3年=FC直方)が蹴ると、競り合いの中でMF長崎偉大(3年=FC NEO)が頭で合わせる。今大会2回戦の筑紫丘戦でも得点したホットラインで試合を決めた。

 ヘディングはあまり好きではないというが、180cmの身長はチームにとって何よりの武器。「自分が決めてやろうと思っていたわけではないけど、たまたま入った感じ」と控えめのヒーローだが、「チームに貢献しようと思っていた。ゴールという形で貢献できて良かった」とはにかんだ。

 夏の悔しい思いをぶつけている。今夏、初めてインターハイに出場した飯塚高だが、背番号14はサポートメンバーに回っていた。福岡県予選を制したあとに行われた大会で右足内側靭帯を損傷。全治は1か月半程度の診断を受けたが、インターハイに間に合わせようとしたことで、完治を遅らせた。復帰のころには、怪我をしてから3か月ほどが経過していた。「選手権で借りを返したいと思っています」。

 卒業後は日本経済大に進学してサッカーを続ける。サッカーを続けるか、区切りをつけて就職するかを迷った時期があるというが、同学年のFW高尾流星(3年=ヴェントノーバFC)がガイナーレ鳥取への入団を決めたことが、大きな刺激になっている様子。目指すは大学卒業後のプロ。今は「練習で観ていても一人だけ違う」と高尾との差を自覚するが、プロのピッチで再会することを夢に見ながら、今後も大好きなサッカーに向き合っていくつもりだ。

「ここまで来たら優勝するしかない。チーム一丸となって戦いたい」。偉大と書いてイオ。姉は結夢(ユメ)さん、妹は虹心(ニコ)さんという名前だという。文字通り、「偉大になってほしい」という星の下に生まれたイオが、1週間後の決勝で母校の選手権初出場という偉大な結果をもたらす。

(取材・文 児玉幸洋)
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