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[MOM3654]徳島市立MF佐藤秀一(3年)_「とにかく縦に」のウイングバックが2発!! つなぐスタイルで輝く“左の槍”

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徳島市立高の左ウイングバックを担うMF佐藤秀一(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 高校選手権徳島県予選準決勝 徳島市立高 5-1 徳島科学技術高 徳島市球技場]

 ポゼッションスタイルに大きく舵を切りつつある徳島市立高だが、攻撃を狙いどおりに進めるほど輝くのが両サイドに張り出す“槍”の存在。徳島県予選準決勝、2ゴールを挙げる大活躍を見せたのは左ウイングバックのMF佐藤秀一(3年)だった。

 3-4-2-1をベースとした布陣を敷き、全ポジションに技術の高い選手が並ぶ今季の徳島市立。中央でのボール保持で相手の守備ブロックを剥がし、短いパスをつなぎながら攻撃を前進させていくのが基本コンセプトだが、これを止めるために相手が中央に密集してくれば、両サイドのウイングバックが一気に襲いかかる。

 左の佐藤、右のMF柴田侑茉(2年)はいずれも推進力のあるウインガータイプ。手薄となった大外をゴリゴリと攻め上がり、人数をかけた中央への低いクロスでゴールを狙っていく。

「基本的に僕は中にはあまり仕掛けず、監督からも縦に縦にと言われている。とにかく縦に仕掛けて、クロスを上げ切って終われるようにしている」(佐藤)。

 準決勝の徳島科学技術高戦でもこうした狙いは明確。逆サイドで前進させる場合は反対サイドからゴール前にも切れ込む動きも見せ、前半16分には佐藤のアシストからFW林秀太(2年)の先制ゴールが生まれた。

 続く2-0で迎えた前半27分には、左サイドでスローインを受けた佐藤が林とのワンツーで中央に切れ込むと、ゴール左斜め前から右足を一閃。「シュートは巻こうと思って狙いどおりじゃなかったけど、いいテンポで打てて良かった」と、相手GKの頭上に強烈なシュートを打ち込んだ。

 さらに前半40分にも自身のクロスから決定機を導いた佐藤は、味方のシュートがGKのスーパーセーブに阻まれたのにしっかり詰めて2点目も記録。「自分としてはいい崩しだった。こぼれが来るかなと思っていたら、たまたまボールが来て最後は蹴るだけだった」。2ゴールを挙げる活躍で勝利を決定づけた。

 戦術変更の影響もあり、今季の徳島市立は先発の大半が1〜2年生。「3年生が少ない分、自分が一番声を出そうと思っているし、中心的にやろうと思っている」という佐藤は最上級生という立場から、そして攻撃のキーマンを担うウイングバックという役割としての覚悟をのぞかせる。

「自分の特長は攻撃力なので、縦に縦にというのを意識している。プリンスでも僕の崩しからの点が多くて、自分が突破しないと点が決められないと思ってプレーしている」。

 そうした武器を全国に知らしめるため、大事になるのが13日に控える決勝戦だ。ここまで県予選では2試合3ゴールと連発中。佐藤は「強度の高い試合になると思うけど、立ち上がりに点をとって、そこから自分たちの雰囲気でやれるように、自分の突破から起点をつくっていけるようにしたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
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