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[MOM3666]草津東MF田中将大郎(3年)_練習から外した理由を突き詰めて考え、改善。長身レフティーが2発

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草津東高MF田中将大郎は2得点の活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 選手権滋賀県予選準決勝 野洲高 1-3 草津東高]

「試合が始まる前から、野洲の足元に崩されてしまう時間帯は絶対にあると思っていた」と話した草津東高MF田中将大郎(3年=FC湖東出身)。崩されるだけではなく先制点まで許したが、「失点した後も、全員が慌てることなく自分たちがやるべきことを発揮していた。それが自分の得点に繋がったのかな、と思います」。

 同点弾となった1点目は、MF松田大知(3年)が左サイドから突破し、中央の田中にクロスを上げた。「自分の前にスペースがあるのはわかっていたし、相手選手には自分が見えていないなと思っていた。ここにボールを入れてくれれば、というところに松田が出してくれた。あとはもう押し込むだけでした」。

 勝ち越し弾となった2点目は、MF岡村真悟(3年)が「粘ってくれて」、カットインから中央へクロス。そこに飛び込んできた田中がヘディングでゴールに叩き込んだ。シチュエーションは少し違えども、準々決勝では、もらったクロスに頭を合わせたシュートを外していたという田中。練習でも、シュートを外せば「なぜ外したか」ということを突き詰めて考え、改善してきた。準々決勝で「絶対に決めないといけないところ」で外したシュートに関しても同じように省みていただけに、「準決勝では決め切ることができて良かった」と安堵した表情を見せた。

 準決勝での田中の活躍を牛場哲郎監督は、「彼は明るい性格で、大舞台でも十分に力を出してくれる選手。10番もつけてもらっているし、もちろん期待してピッチに送り出していたが、彼自身もそれをきちんと受け止めてパフォーマンスに発揮してくれた。より一層信頼したい選手となった」と高く評価している。

 田中は左利きで足元の技術も高く、緩急つけて攻撃を仕掛けられる選手であることはこれまでも評価されてきていたが、「技術だけでなく、高さもある。今日のようにヘディングでのゴールも決めることができるようになり、1年生の頃よりもプレーの幅が広がった」(牛場監督)。

 田中自身も、「ボールを持った時にボールを散らせたりスルーパスを出せたりすることが強みだと思っていたけれど、今年に入ってからは、ゴール前に入っていく回数を増やすことを意識してきた」という。現状に満足せず、貪欲に成長を求めてきたことが、準決勝で勝利を呼ぶ2ゴールに結びついた。

 けれど、「まだ何も勝ち取っていない」と田中は言う。「自分たちの目標は、全国大会で勝つこと。そのために、1週間集中を切らすことなく決勝戦に臨みたい」(田中)。

(取材・文 前田カオリ)
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