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J3→J2→J1躍進劇が終幕…大分のJ2降格決定、片野坂監督「私にまだまだ力が足りない」

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大分トリニータのJ2降格が決まった

[11.20 J1第36節 鹿島0-0大分 カシマ]

 大分トリニータにとって3度目のJ1挑戦は、3年間で幕を閉じた。J1第36節鹿島戦(△1-1)後のオンライン会見、就任5年目の片野坂知宏監督は「私自身の責任もあるし、申し訳なく思っている。申し訳ありませんでした」と声を詰まらせながら頭を下げた。

 片野坂監督は2016年、当時J3に降格したばかりの大分の指揮官に就任。同年にJ3優勝を果たして早くもJ2に導くと、18年にはJ2で2位に入り、自動昇格でJ1の舞台に引き上げた。大分にとっては03〜09年、13年に続いて3度目のJ1挑戦。J3を経験したチームとしては史上初となる2カテゴリ昇格だった。

 J1昇格初年度の2019年は開幕節で鹿島アントラーズを倒すなど、一時ACL圏内を争う前半戦の快進撃が光り、一桁順位の9位でフィニッシュ。コロナ禍の20年も11位と中位でシーズンを終えた。だが、今季は開幕前にDF鈴木義宜(清水)、DF岩田智輝(横浜FM)らJ3時代から支えてきた主力選手が次々に流出。序盤から苦しい戦いを強いられ、最後まで降格圏に沈んだ。

 クラブの人件費規模はJ1最低レベル。活躍した選手は他クラブに引き抜かれ、そのたびに新たな選手の獲得を進めてきたが、戦いは年々厳しさを増していった。ピッチ外の試練はピッチ内にも大きく影響し、得失点差は初年度が35得点35失点、2年目は36試合45失点、3年目は現在26得点53失点と落ち込んでいった。

 そうした中でJ1定着を目指してきた片野坂監督は、J1での3年間の課題を「得点を取ること」と総括した。

「これまでJ3、J2、J1とトリニータで指揮をとらせていただいて、GKから攻撃を構築して得点を狙う形はやってきたが、定着するのにJ1の強度、質を上回るためにはそれだけで足りず、前線の質やフィニッシュで個の能力で上回っていくことも必要だと感じた。ただトリニータはお金をたくさん出して外国人選手など良い選手を入れられるかというとそうではないので、そこには目を向けず、戦術でチャレンジして得点を積み上げていくことをやってきたが、最後はそういったところが足りず、得点も少なく勝ち点につながらなかったと感じている」。

 それでも責任は自身に向けた。

「選手は今日のゲームもそうだが、これまでもしっかりと準備をして、諦めず最後まで戦ってくれたと思う。そういう中で、私が選手に対してのプレーを引き出せなかったこと、勝ちにつなげるゲームができなかったこと、私にまだまだ力が足りないところだと思っている」。

 時折声を詰まらせながら言葉を紡いだ片野坂監督は「ここまでJ1で積み上げてきたことを、今季もJ1でさらにレベルアップできるよう、試行錯誤しながら選手とやってきたが、このような結果になってきたこと、このような結果になってしまったこと本当に残念でしかない」とうつむいた。

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