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阪南大高の得点源は注目エースだけじゃない。左WB田中大翔が鮮やかな一撃

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前半17分、阪南大高は左WB田中大翔(25番)が貴重な追加点

[12.10 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦 札幌U-18 1-3 阪南大高 広島一球]

 この日も2得点を挙げた湘南内定FW鈴木章斗主将(3年)に注目が集まる阪南大高だが、「他の選手も獲れる」ことが強みになっている。プリンスリーグ関西ではFW石川己純(3年)が8得点を挙げており、選手権予選は追い詰められた準決勝でDF保田成琉(2年)の劇的な同点ゴールと交代出場MF鮎川岳叶(3年)の延長V弾で逆転勝ち。決勝も先制後のMF稲垣大燿(3年)のゴールで流れを大きく傾けた。

 この日は前半15分に鈴木のゴールで先制すると、その2分後に左WB田中大翔(3年=イルソーレ小野FC出身)が「上手く1人目かわせて全然コース見えていなかったんですけれども、『思い切ってシュート打て』って(濱田豪)監督に言われていたのでシュート打って入って良かったです」とドリブルシュートを鮮やかに決めたことが大きかった。

 鈴木がDFを引きつけてわずかにできたコースを逃さずに右足を振り抜いてゴール。田中は「鈴木が上手い分、他のマークがちょっと緩くなると思うので、そこで自分が仕掛けたり、CK取れたり、カットインでシュートを決めれたら良いと思っています」。注目エースにマークが集中することを逆手に取って決め切った。

 濱田監督も「2点目が大きかった。章斗以外の良さが選手権から続けて出せたことは本当に収穫だと思います」とコメント。課題もあるが、チームにアクセントをつけられる田中のゴールを讃えていた。

 田中は球際の強度を指摘される中で意識して改善し、信頼と先発のチャンスを得るようになった選手だ。この日は経験の浅い左WBで運動量を増加。本人は「守備で迷惑をかけた」と首を振るが、ゴールを含めて貢献度も大きな試合だった。

 次はプレミアリーグ昇格を懸けて関東王者の強敵・川崎F U-18と激突。「相手は身体とかもデカいと思うけれど、前に、前に、阪南らしくできたら良い」。鈴木だけに頼るつもりは全くない。自分もシュートを増やしてゴールに絡み、白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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