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「世界一」を目指すU-18日本代表候補が桐蔭横浜大と練習試合。週末は茨城の交流大会へ

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U-18日本代表候補FW千葉寛汰は先制点を叩き出した

[12.15 練習試合 U-18日本代表候補 2-2 桐蔭横浜大 高円宮記念JFA夢フィールド]

 13日から千葉県内で強化合宿に入っているU-18日本代表候補は15日に桐蔭横浜大との練習試合を実施。FW千葉寛汰(清水ユース)のゴールで先行したものの、攻守が噛み合わない時間もあって最終的には2-2のドローに終わった。

 この代表は2年後のU-20W杯を目指すチーム。この合宿では、あらためてその大会で優勝し、「世界一になる」(千葉)という目標を共有してトレーニングを開始した。今回は全国高校サッカー選手権へ出場予定の選手たちは参加していないが、「選手権組がいないからこそ新しくチャンスを得る選手もいるので、チームとしての競争をより激しくする機会にもなる」(千葉)という試合でもあった。

 先発メンバーはGKに春名竜聖(C大阪U-18)、DFが工藤孝太(浦和ユース)と菊地脩太(清水ユース)の両CBに、右に貫真郷(大宮U-18)、左に松田隼風(JFAアカデミー福島U-18)。中盤中央に吉田温紀(名古屋U-18)、福井太智(鳥栖U-18)、両翼に甲田英將(名古屋U-18)、北野颯太(C大阪U-18)が入り、前線の下がり目に中村仁郎(G大阪ユース)、センターFWに千葉という並びとなった。

 対する桐蔭横浜大は1年生が過半を占めるラインナップながら、トップチームの公式戦にも出場している3年生の注目GK北村海チディも後半から出場した。

 立ち上がりにペースを掴んだのは日本。7分には早くも先制点も奪い取る。千葉が「中村選手が前を向いた瞬間に背後を取ろうと思って動き出したら、本当に良いボールを出してくれた良い形で入れた」と振り返ったとおりに相手守備陣を出し抜くと、「シュートは狙った通りではなかった」と苦笑いで振り返る当たり損ねのキックながら、ボールはゴールへと転がり込んだ。動き出しで勝負するストライカーらしい1点だった。

 ただ、このあとの展開は思うようにはいかなかった。DFの工藤が「前が(プレスに)行っているのに後ろが付いていけないことが多かった」と言うように、前線と後方の守備時の意図が噛み合っていないシーンもしばしば目に付き、高い位置でボールを奪えない。逆にボールを持っても相手のプレスに捕まってしまうことも多く、前半のうちにミドルシュートのこぼれ球を押し込まれると、後半開始早々の4分にはCKからDFパティソン・ジェイミー(1年)に決められて逆転を許してしまった。

 このままでは終われない日本は、最後に奮起して後半41分に交代出場のFW真家英嵩(柏U-18)の得点で同点に追い付いたものの、攻守両面で課題も多く出る試合となった。特に課題が出たのはピッチ上でのコミュニケーションだろう。コロナ禍の影響でチームとしての試合経験が不足していることもあり、選手たちも「もっと言い合わないといけない」(工藤)と感じた様子。こうした点を踏まえて臨む18日開幕の「IBARAKI Next Generation Match 2021」(U-20関東大学リーグ選抜、U-20 ALL IBARAKI、鹿島アントラーズユースが出場)は、この試合で出た課題をぶつける場と言えそうだ。

 もちろん、単なる練習試合というつもりはない。「日本代表のエンブレムを付ける責任は軽くないし、優勝しなければいけないと思っている」(工藤)と位置付ける戦いで、「世界一」を目指すためのベース作りを図ることとなる。

(取材・文 川端暁彦)

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