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全12得点中6得点が交代組。選手層厚い大津は「試合を決める」男たちが躍動中!

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後半アディショナルタイム、大津高は交代出場MF碇明日麻が左足で3点目のゴール

[1.2 選手権3回戦 佐賀東高 1-3大津高 熊谷]

“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグWESTで4位に食い込み、今回の選手権で優勝候補の一角に名を連ねる大津高(熊本)は1、2回戦で計9得点。そのうち4得点を交代出場の選手が記録していた。

 同校の選手権最高成績に並ぶ8強入りを懸けた3回戦でも、交代出場のFW高畑涼(3年)とMF碇明日麻(1年)がゴール。今年度は例年以上に選手層厚い印象の大津だが、交代出場の選手たちが「試合を決める」活躍を続けている。

 山城朋大監督は「セカンドチームが県リーグ初優勝して、プリンス(リーグ九州)参入を決めたように、11人とそれ以外のメンバーの力の差は少なく、例年にないくらい(サブ組の力が)あるのかなと思っています」と頷く。

 セカンドチームの一員としてプリンスリーグ九州参入戦で活躍したMF稲田翼(1年)やMF農祥英(3年)、高畑が選手権で貴重な交代カードに。特に「先発で出たいというよりも、途中から入って流れを変える方が自分のプレースタイルに合っていると思っているので、途中から入った時は追加点や同点弾を。とにかく点を獲ることを意識してピッチに入っています」という高畑が2試合連続ゴールを決め、U-17日本高校選抜に名を連ねる碇も短い出場時間の中で今大会2得点目を挙げた。

 プレミアリーグでJクラブユース勢などの強豪と渡り合うことで、選手層を含めたチーム力が年々高まって来ていることは確か。今大会は注目SB日高華杜(3年)が鎖骨を負傷して離脱中だが、代わって先発している右SB和田理央(3年)が東福岡高(福岡)との2回戦で奮闘し、この日も3点目をアシストした。また、2年生の技巧派MF田原瑠衣(2年)はサブから先発へ昇格。そして、ゴールを連発しているサブ組含め、より多くの選手が全国舞台で活躍できるようになっている。

 山城監督は「(総監督の)平岡(和徳)先生がよく言うように、スタートのメンバーが『流れを作って』、交代のメンバーが『流れを変えて』、最後に出てくるメンバーが『試合を決める』というような役割分担がしっかりできているのかなと思います」。高いレベルで役割分担できている大津が次は過去3度敗れている準々決勝突破にチャレンジする。

 主将のMF森田大智(3年)は「大津高校はベスト4行ったことがないので、次の試合へ良い準備をして、大津高校初のベスト4へ行きたい」と宣言し、3戦連発が期待の高畑は「点を取れたことは良かったけれど、何本か外しているのでそこも全て決めきるようにしたい。(チーム全体で)スタートからガンガン行きたいと思っています」。数々の名手を育成してきた大津が、新たな強みを活かして歴史を塗り替える。

後半27分、大津高は交代出場のFW高畑涼(19番)が2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)

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