beacon

広島Jrユースで日本一経験…堅守支える大津DF寺岡「あとは悲願の全国制覇に向けてやるだけ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

大津高DF寺岡潤一郎(3年=サンフレッチェ広島Jrユース)

[1.4 選手権準々決勝 大津高 1-0 前橋育英高 フクアリ]

 中学時代にクラブユース日本一を経験した大津高DF寺岡潤一郎(3年=サンフレッチェ広島Jrユース)が、粘り強い守備で同校初のベスト4入りをもたらした。「あとは悲願の全国制覇に向けてやるだけ」。“中高日本一”まであと2勝。国立競技場での連戦でも、自慢の堅守を披露し続けていく構えだ。

 技術の高い選手が並ぶ前橋育英高に攻められる時間帯が続いた大津だったが、激戦のプレミアリーグWESTを耐え抜いた守備は最後まで崩れなかった。「(相手の目線に)日差しがあったので、前半にたたみかけて点を取りたい。そういう意味でも最初は有利なほうを取ろうという狙いがあった」(寺岡)というコイントスでのエンド選択から、試合巧者っぷりは目立っていた。

「名古屋グランパス、ガンバ大阪はすごくボールを持てるチームで、そういう相手にやってきたことが自信になっていた。お互いで声を掛け合いながら協力して守備をすることができた」。試合終盤に採用した5バックのオプションも、プレミア序盤戦でトライ済み。寺岡は「3バックのほうがやりやすい相手と感じていたので、慌てることなくスムーズに対応できた」とさらりと振り返った。

「自分たちはもともと守備で頑張るチームで、体を張って守ることが習慣化されているし、プレミアリーグという一番大きな経験値があったので、最後にシュートを打たれるところだけは防ごうというところだけは全員が意識を持ってやれていた」。

 これまで積み上げてきた守備意識に加えて、寺岡には日本一の経験があった。サンフレッチェ広島ジュニアユース出身の寺岡は2018年、いまと同じ5番を背負って夏の日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会で初優勝を達成。当時の記憶もチームに伝達していたという。

「個人的なところだけど、自分は中学校の頃、クラブユースで全国制覇した時にやっぱり守備がすごく大事だと分かっていた。ディフェンスラインのメンバーでは最後に打たせない守備が大事だと伝えていた。そういったところでもみんなで協力してやれたと思う」。

 そうして掴んだ同校初の全国4強。「自分たちの代が記念すべき100回大会で学校の歴史を塗り替えられたことをすごく誇りに思うし、同時に喜びも感じる」。だが、ここで立ち止まるつもりはない。「あとは悲願の全国制覇に向けてやるだけ。準決勝、決勝を集中して戦いたい」。名門広島Jrユースにクラセン初タイトルをもたらしたように、頼れる守備の要が“進化するブルー軍団”をにも初戴冠に導くつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

●【特設】高校選手権2021
▶高校サッカー選手権 全試合ライブ&ダイジェスト配信はこちら

TOP