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193センチの体躯を誇る闘争系CB。横浜FCユースDFヴァンイヤーデン・ショーンが秘める無限の可能性

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横浜FCユース期待の193センチCB、ヴァンイヤーデン・ショーン

[2.5 LIGA KANTO U-18 帝京高 1-1 横浜FCユース 帝京北千住G]

 とにかく、高い。193センチの体躯を生かしたヘディングは、間違いなくこの年代でも群を抜いている。そして、端正な顔立ちに騙されてはいけない。厳しい局面での球際にも、十分な強さを兼ね備えている。

「自分の一番の強みは、高さと、球際の強さと、全部ひっくるめて闘争心というところなんですけど、誰よりも球際は絶対に負けないという自信もありますし、ヘディングも高さがある分だけ、絶対に負けられないという意識はあります」。

 ここからがいよいよ本格的な飛躍の時。横浜FCユース(神奈川)のハイタワー。DFヴァンイヤーデン・ショーン(2年=横浜FCジュニアユース出身)が、その秘められたポテンシャルをいよいよ解き放ちつつある。

 凄まじい一撃だった。帝京高(東京)と対戦した『LIGA KANTO U-18』の開幕戦。好リズムで前半を過ごした横浜FCユースは、終了間際の40+1分にFKのチャンスを得る。キッカーはレフティのDF中村琉聖(2年)。丁寧なボールが左サイドから送り込まれると、193センチの影が圧倒的な高さまで伸び上がる。

「キックが良かったので、あとは合わせるだけだったんですけど、今年のファーストゴールを獲れたので、それは良かったと思います」。強烈な打点のヘディングで合わせた豪快なゴール。「まだまだ課題は多いですけど、ああいう個性を持った子はなかなかいないので、凄く楽しみだなと思います」とはチームを率いる小野信義監督。まずは攻撃面で違いをアピールしてみせる。

 ただ、守備面では自身も課題をハッキリと感じていた。「潰しに行くのは自分の強みなんですけど、そこで行き過ぎてしまって背後を取られるシーンもあって、個人の出来が悪かったので代えられました」と自ら振り返ったように、後半途中で交代を命じられると、以降はコーチの隣に座ってピッチを見つめ続ける。

「自分の課題を『外から見てほしい』と言われたので、代わってからはコーチと話しながら、『さっきの自分だったらこうしている』というのを外から見ていました」とは本人だが、その“マンマーク”もある意味では期待の裏返しと言えるだろう。

 昨年度のプレミアリーグでは、終盤に掛けて出場機会が増加。「あれで自信を持てましたし、プレミアでも1位と2位の青森山田とエスパルスとやれたのは貴重な経験でした。それをチームにも還元できるように、練習からも声を掛けたりしています」。とりわけ、優勝の歓喜を目の前で見せ付けられた青森山田高との対戦では、“旧友”との再会も果たすことになった。

「絆と仲は良いので、意識していました。LINEでもやり取りしていて、『絶対に負けねえぞ』みたいな話はしていたんですけど、結構成長していましたね。もともとスピードもあって、アイツは山田に挑戦する形になったんですけど、自分も負けてられないなと思いました。今年の対戦も楽しみです」。青森山田の新エース候補・FW小湊絆(2年)はジュニアユース時代のチームメイト。その成長に大きな刺激を受けつつ、リベンジの機会を虎視眈々と窺っている。

 ここまでのアカデミー生活は、思うような時間を過ごしてきたわけではない。「中3ぐらいまでは本当に身体もなかなか動かなかったですし、実力もなくて試合にもほとんど出られなかったんですけど、高1ぐらいからちょっと身長が落ち着いてきて、筋肉も付いてきたことで自分の思い描いているプレーができるようになって、高2になってからAチームでも少し試合に出られるようになって、今に至るような形です」。ようやく自らの身体をコントロールできるようになってきたことで、改めて日々成長していく喜びを感じているという。

 憧れの選手を尋ねると、“欲張り”な答えが返ってきた。「サッカー面で言うとファン・ダイクで、身長も同じくらいなので憧れています。人としては、クリスティアーノ・ロナウドとセルヒオ・ラモスですね。戦う姿勢もそうですし、大事なところで点を決めてチームを勝たせる仕事をしているので、そこは自分も意識しています」。ファン・ダイク。クリスティアーノ・ロナウド。セルヒオ・ラモス。この3人が融合すれば、確かに最強だ。

 父がカナダ国籍で、母は日本国籍。「まだ二重国籍なので、カナダ代表にも日本代表にもなれます。最近はカナダ代表が強くなってきて、ワールドカップ予選も無敗で来ていて、メキシコにも勝ったりしていますし、結構良い若手が多くて、そこにも興味を持って見ています」と明かした17歳。遠くない未来に想いを馳せつつ、まずは目の前の1年への目標も明確に掲げている。

「チームとしてはプレミア3位以内という目標は持っていて、個人としては世代別代表に入りたいですし、トップチームへの昇格を目指しています」。まだ歩んでいる道は、間違いなく成長過程の真っ只中。ヴァンイヤーデン・ショーンが有するポテンシャルは、無限の可能性に彩られている。

(取材・文 土屋雅史)

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