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[MOM779]U-20全日本大学選抜DF青木駿人(日本大2年)_パリ世代の大学リーダー。責任感持って戦い、無失点と先制弾

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U-20全日本大学選抜CB青木駿人(日本大2年=日大藤沢高)は完封勝利と先制点の活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.11 デンチャレGL第3節 U-20全日本大学選抜 2-0 日本高校選抜 Jヴィレッジ]

 大学生のプライド、キャプテンとしての責任感、パリ五輪への思い……様々な思いを力に変えてチームを勝利へ導いた。U-20全日本大学選抜の主将を務めるCB青木駿人(日本大2年=日大藤沢高)はこの日、日本高校選抜のU-19日本代表候補FW福田師王(神村学園高2年)と対峙。「福田君とやれるのは楽しみでした」という青木は、無失点勝利した試合後、「いくら高校生でレベル高くても大学生もナメられたら困るのでゼロに抑えられたのは凄く嬉しかったです」と胸を張った。

 押し込む展開の中、日本高校選抜は背後のスペースや楔のパスから攻め返そうとしてきていた。だが青木はDFラインや前線の選手たちと連動してその攻撃を阻止。相手をゴールに近づけない。前半半ば頃からセットプレー、ゴール前のシーンを増やされてしまっていたものの、一本一本を丁寧に跳ね返し、最後の一歩までこだわって守ることでゴールを許さなかった。

 前半31分にはこの試合最大とも言えるピンチ。ショートカウンターから福田へスルーパスを通された。だが、この“1点もの”の場面を青木がストップ。「師王の一発」に懸けていた高校選抜の見せ場を消した青木は、攻撃面でも大仕事をしてのけた。

 0-0の後半27分、右クロスのこぼれ球を左足で豪快に蹴り込んだ。MF山内日向汰(桐蔭横浜大2年=川崎U-18)らが再三シュートへ持ち込みながらもゴールを割れずにいた中、チームを救う先制点。最終ラインからのビルドアップ、左足フィードでも貢献した青木は「初戦で自分のミスで失点してしまって、そのせいでグループリーグの首位も早々になくなってしまったので、借りを返すという部分含めて良かった」と微笑んだ。

 青木は今回の活動を24年パリ五輪に繋げる考えだ。「この活動は集まって初日に連盟の上の方から自分たちがパリ五輪の一番上の世代になるので、そこに向けた選考会も始まっているという話もされましたし、全員、そこへの自覚やそこへの思いを持って臨んでいると思います。自分自身、高校時代は無名というか代表歴もないんですけれども、こういう選抜活動でキャプテンもやらせてもらっているので、そこを目指さない訳にはいかないので、今日しっかりとゼロでできたのは良かったです」と頷いた。

 日大藤沢高3年時には、FW西川潤(現鳥栖)を擁したインターハイ王者・桐光学園高を1-0で破って選手権に出場し、ベスト16。日本高校選抜の1次選考メンバーに選ばれているものの、以前から高く評価されていた選手ではない。

 それでも、日大藤沢で地道にコーディネーショントレーニング。左利きのCB、球際の強度やコーチングも強みにU-20全日本大学選抜で主将を務めるまでになった。また、日大藤沢主将時代から抜群の人間性を発揮していた青木は、「高校時代もキャプテンをやらせてもらって自分は前に立つのだったり、チームをまとめてリーダーシップを取るのが好きなタイプ」というように、その仲間を引っ張る力、巻き込む力も強みになりそうだ。

 パリ五輪の切符を勝ち取るためには、Jリーガーたちとの勝負を勝ち抜かなければならない。今冬はJ1クラブへの練習参加も経験。「プロのレベルだったりを肌で体感できて、(大学卒業、パリ五輪までは)あと2年あるんですけれども、自分的にはあと2年しかないと思っていて、その中でJのトップレベルで即戦力として扱ってもらうにはまだまだこのフィジカルレベルでは足りないなと思っているので、大学生だったら圧倒できるくらいのフィジカル面を自分でも作っていきたい」。強い思いを持ち続けて日常に取り込むこと。そして結果を残し続けて、目標の舞台に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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