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浅野、鎌田、三笘、田中碧で4発!! 伊藤洋輝デビューの森保J、パラグアイ破って6月シリーズ白星発進

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FW浅野拓磨(ボーフム)が先制ゴール

[6.2 キリンチャレンジ杯 日本4-1パラグアイ 札幌ド]

 日本代表は2日、札幌ドームでのキリンチャレンジカップでパラグアイ代表と対戦し、4-1で勝利した。前半にFW浅野拓磨、MF鎌田大地のゴールで2点を先制すると、後半にミスから1点を追加されたが、直後にMF三笘薫が勢いを取り戻す一撃。最後はMF田中碧もダメ押しゴールを決め、カタールW杯に向けて重要な6月シリーズ4試合を白星でスタートした。

 カタールW杯の出場権獲得後、初めてとなるテストマッチ。日本は昨年10月のオーストラリア戦から採用している4-3-3の布陣を組み、初招集でA代表デビューのDF伊藤洋輝をはじめこれまで出場機会の少なかった選手を先発に並べた。

 GKはシュミット・ダニエルが務め、4バックは左から伊藤、DF吉田麻也、DF谷口彰悟、DF山根視来。3センターはMF遠藤航、MF原口元気、MF鎌田大地が組み、ウイングは左がMF三笘薫、右がMF堂安律、1トップにはFW浅野拓磨が入った。シュミットは2020年11月の欧州遠征メキシコ戦(●0-2)以来、1年半ぶりの出場。鎌田は昨年10月のW杯最終予選サウジアラビア戦(●0-1)、堂安は昨年9月のW杯最終予選オマーン戦(●0-1)以来の出場となった。[スタメン&布陣]

 試合は序盤から日本が優位に立った。まずは前半5分、堂安のサイドチェンジが三笘に渡り、オーバーラップしてきた伊藤が追い越し、マイナス方向へのグラウンダークロスを供給。これに堂安が合わせ、GKサンティアゴ・ロハスを強襲した。さらに同6分、鎌田と堂安が揃って立つCKを堂安が蹴り、ニアで谷口がそらすと、伊藤の折り返しから遠藤が惜しいシュートを放った。

 前半11分にも日本がビッグチャンス。遠藤のロングパスに三笘が抜け出し、おなじみの鋭いドリブル突破からクロスを送ると、鎌田がワンタッチで左足シュートを狙う。だが、これは左のポストに直撃。同15分、堂安が上体を揺らしたドリブルで相手をいなし、横パスを受けた原口が左足で狙うも、相手DFのブロックに阻まれた。

 日本は前半21分と26分、堂安のCKから伊藤が立て続けに頭で合わせる惜しいシーンも披露。伊藤はビルドアップの起点も担い、A代表デビュー戦にして堂々のパフォーマンスが続く。同28分には終始良い関係性を見せる原口と堂安の絡みで右サイドを崩し、浅野と鎌田のパス交換が失敗に終わるも、堂安が再びボールを奪取。パスを受けた三笘がカットインから右足で狙うも、GKの正面を突いた。

 するとそこからはややパラグアイに流れが傾く。前半29分、中央がぽっかり空いたところをDFブラス・リベロスに侵入され、ミドルシュートがシュミットを強襲。なんとか横っ飛びで阻み切ったが、同30分にもMFアンドレス・クバスを鎌田が倒してFKを与え、MFオスカル・ロメロの左足キックをなんとかシュミットがかき出した。また同33分、うまく縦パスを引き出したMFミゲル・アルミロンに左ハーフスペースを崩され、FWガブリエル・アバロスのシュートチャンスに持ち込まれたが、遠藤がなんとか詰めて防いだ。

 そうして耐える時間が続いた日本は前半34分、原口とのワンツーで右サイドを打開した堂安がサイドチェンジを送り、三笘のお膳立てで抜け出した伊藤が惜しいクロスを供給。前半の立ち上がりにも見られた形が再現された。同35分、堂安のCKは遠藤が頭で折り返すのみに終わったが、ここからようやくゴールにつなげた。

 前半36分、シュミットからのパスを受けた伊藤が前線に鋭いフィードを供給すると、相手DFを背負った浅野がうまくボールを落とし、原口が相手のいないコースにドリブル突破。左に流れながらスルーパスを送ると、これに抜け出した浅野がゴール前に切れ込み、最後はループシュートでネットを揺らした。浅野は昨年6月のW杯アジア最終予選キルギス戦(○5-1)以来、1年ぶりのゴールとなった。

 日本は前半41分、またしても原口と堂安の連係で局面を打開し、浅野とのワンツーで抜け出した山根が右足で狙うもGK正面。それでも同42分、鎌田が浮き球のパスを山根に通し、右の大外に開いた堂安がクロスを送ると、ゴール前で反応したのは鎌田。かすかに頭で触って軌道を変えると、GKのファンブルを誘ってゴールが決まった。鎌田は昨年5月のW杯最終予選ミャンマー戦(○10-0)以来の得点となった。

 2-0でリードした日本は後半開始時、吉田、遠藤、浅野に代わってDF中山雄太、DF板倉滉、FW前田大然を投入。伊藤が左CB、中山が左SBに入り、板倉がアンカー起用となった。キャプテンマークは原口。立ち上がりは激しいプレッシングをかける前田が次々にボールを奪い、三笘のドリブル突破につなげていった。

 日本は後半12分、堂安のFKに板倉が飛び込むも、ヘディングはミートせず枠外。すると同14分、シュミット、板倉とつないで伊藤に通すと、伊藤のパスがO・ロメロの足元に入ってしまう。O・ロメロはすぐさま縦に通し、板倉の股を抜いたボールがFWデルリス・ゴンサレスに収まると、谷口がフェイントでかわされて強烈なシュート。これがネットに突き刺さり、1点を返された。

 思わぬミスから失点を喫した日本。ところが後半15分、すぐさま点を取り返した。左サイドでパスを受けた鎌田が相手のプレッシングをかいくぐってターンすると、そのまま持ち上がってボールを前進。バイタルエリアを切れ込んだ原口が左にパスを送り、フリーになっていた三笘が冷静に流し込んだ。三笘はこれでA代表4試合目で3ゴール目。日本をW杯に導いた男がまたしても結果を残した。

 そのまま攻め込む日本は後半17分、原口に代わってMF田中碧を投入し、鎌田トップ下の4-2-3-1気味のシステムへ。すると直後、三笘のカットインからさっそく田中がミドルシュートを狙うもGKの正面に飛ぶ。同18分、中山のクロスを前田が合わせるもこすり切れずに枠外。さらに同20分、三笘のパスからペナルティエリア内に潜り込んだ堂安の左シュートも枠を外れた。

 それでも勢いを失わない日本は後半24分、堂安のスルーパスに鎌田が抜け出すと、GKに倒されてPKを獲得した。キッカーは堂安。ところが右を狙ったキックはGKに阻まれると、こぼれ球を狙っていた山根のシュートも大きく枠を外れ、絶好機を逃した。その直後、日本は堂安に代わってMF久保建英を投入。札幌ドームの観客からは大きな拍手が送られた。

 その後はパラグアイにセットプレーのチャンスが訪れるも、日本は最後の局面で身体を張って決定的なシュートを許さない。さらに後半35分、シュミットの縦パスを受けた田中が苦しい状況に陥り、MFアンヘル・カルドソ・ルセナにボールを奪われ大ピンチ。しかし、これも谷口と板倉がなんとか相手に寄せ切り、失点は免れた。

 すると日本は後半37分、鎌田がスルスルと相手DFを切り裂くと、シュートはGKに阻まれたが、前田が無人のゴールにシュート。だが、大きくボールを打ち上げてしまう。直後の同38分、日本は三笘に代わってFW古橋亨梧を投入し、古橋が1トップ、前田が左ウイングに入った。

 すると後半40分、日本は前田の鋭いプレスバックから敵陣深くでボールを奪い切ると、鎌田の横パスが田中へ。田中はペナルティエリア際から右足を振り抜き、ダメ押しゴールを記録した。田中は昨年10月の最終予選オーストラリア戦以来のゴール。そのままリードを守り切った日本が大量4ゴールでパラグアイを破り、6月シリーズ白星発進を果たした。

 日本は6日、国立競技場で行われるキリンチャレンジ杯でFIFAランキング1位のブラジルと対戦。その後、大阪に渡り、10日にキリン杯ガーナ戦(ノエスタ)、14日にパナスタでチリあるいはチュニジアと対戦する。

(取材・文 竹内達也)
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