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日本vsガーナ 試合前日の森保一監督会見要旨

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 日本代表は10日、キリンカップでガーナ代表と対戦する。森保一監督は6日、ノエビアスタジアム神戸で前日オンライン会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「キリンカップがタイトルを争う戦いだということ、明日の試合に勝って、そして決勝戦も勝って、キリンカップのタイトルを掴み取り、サポーターの皆さんに喜んでいただく結果を出せるよう、目の前のガーナ戦にできる準備を最善を尽くして戦いたい。この6月の代表ウィークですでに2試合を終えることができ、W杯に向けてチームの強化を進めてこられている。いい形で2試合、チームとして試す部分、そして選手の個々のパフォーマンスを見ていく、試すという部分でもいい試合をできているので、明日のガーナ戦でも結果を掴み取ることを目標にしながら、チームとして積み上げができるような試合ができればと思っている」

——ブラジル戦を踏まえて試したいことは。
「ブラジル戦を踏まえてだけではないが、奪ったボールをまずは優先順位としてできるだけ早く攻撃に結びつけるため、プレスをかいくぐって相手ゴールに向かいたい。またボールを保持して握りながら相手を崩していくところも見せたい。相手はわれわれの守備から攻撃の部分でプレッシャーをかけてくると思うので、かいくぐりながら速攻と遅攻を仕掛けていけるようにしたい」

——監督としてこのシリーズで人選を絞り込むつもりか。
「まだまだこのグループ以外にもW杯に向けてメンバー入りする選手もいると思うが、今回のこの代表ウィークの活動に参加してくれている選手たちが中心となって、W杯のメンバー構成がされるということは言える」

——システムはどれくらい試したいか。
「基本的にはパラグアイ戦、ブラジル戦で4-1-4-1、4-2-3-1で戦ったので、その二つを基本に考えながら、もし他のチャレンジをしたほうがよければチャレンジしたい。システムというより、できるだけ今回招集させてもらっている選手を試すとか、選手同士の融合をどうしていくかを見ていきたいと思っている」

——セットプレーについて。残り10分以内に0-1の状態でも人数が変わらなかったり、0-0でも人数が増えていたりしたが、選手たちが判断して勝ちに行くべきだったのではないかと考えた。なぜこうなっているのか。
「オプション先行というよりも、コーチもバリエーションをたくさん考えてくれているし、チームとしてもそこを少しずつ上積みしていきながら、一つでも多くの選択肢を作っていこうとしている。親善試合でも勝ちにこだわらないといけないので、おっしゃることはごもっともだと思う。ただ確実にやれることは増えているし、ゴールは奪えていないが、もう少しという形はいくつも見えている。あとはW杯本番に向けて、得点に結びつけられるようにクオリティーを上げていかないといけない。試合最後のところで負けている状況、勝っている状況がある中、負けている状況については本番になったら準備して戦う。スクランブルでリスクを冒してでも追いつきにいく、勝ちに行くところは状況に合わせて準備していきたい」

——ロシアW杯ベルギー戦を振り返ると、個人がきちんと判断してできるようにしたいというのを感じている。セットプレーに関して工夫をしているのは感じるが、後半に負けている時に指示が行き渡らない時、ピッチの中で判断しないといけないと思うが、セットプレーはスタメン組以外でサインプレーを作るのは難しいか。監督の下でやっていないから意図が伝わり切れていないのか。
「私の課題として取り組まないといけないのは、セットプレーの練習はチームで共有して試合の中でできるように練習を積んでいるが、6人の交代枠を使った場合に交代選手、1試合1試合メンバーを変えている中で、なかなか試合の終盤の意思統一という部分でオプションを使うのが非常に難しい。その難しい状況の中でも、おっしゃられる通りバリエーションをつけられるようにしたい。人が変わってもセットプレーでトライすることを共有できるようにしていかないといけないと思う」

——控え選手にまでバリエーションが行き渡っていないことが多いのか。
「選手には準備しているものがあったとしても、セットプレーだけで準備はできないので、イメージとしておっしゃられていることはわかるが、そうすると流れの中での練習ができなくなる。セットプレーのことで頭がいっぱいになって、身体が動かなくなるので、数個ずつ準備しながらインプットをできるだけ多くして、今後W杯の舞台で状況に合わせてベンチから指示が行った時に選手が共有できること、選択肢を選手が持った上で状況に応じてプレーしてもらうことを両方突き詰めてやっていきたい。選手には勝つため、相手を上回るためにいい判断であれば割り切って自分たちの判断でやってほしいというのはこれまでも言ってきた。自分たちが主体的にやっていく修正能力、対応能力は求めてきた部分でもあるし、認めてきた部分でもあるので、思い切ってどんどんアイデアを出してほしい」

——ガーナはどのような特徴のあるチームだと思うか。昨日、6対6で実戦的な練習をしていたが、その構成を中心に考えているのか。
「まずガーナについてはこれからチームミーティングをして練習に向かおうと思っているが、印象としては個々の技術が高く、攻撃の部分でゴールに向かうパワフルなプレーができるチームだなと思っている。メンバーについてはこれからトレーニングして最終的に決めようと思っているが、トレーニングしている内容は明日の試合に活きることもあり、チームがレベルアップしていく上で積み上げになる練習だったと思うが、明日の試合を想定していたわけではない。ブラジル戦から少し変更も考えて、選手を起用していきたい」

——柴崎岳選手の取材対応で、前線で誰が出ても同じレベルではなく、誰が出るかに合わせて戦う必要があるという話があった。さまざまな選手が出場した時の戦い方について、ブラジル戦からどのような改善を考えているか。
「ブラジル戦が終わった後もコメントさせていただいたが、ブラジルのようなレベルの高いチームに対し、アタッキングサードではなかなか形を作らせてもらえなかったのが事実。ただ、ディフェンディングサード、ミドルサードでボールを持ちながら相手の攻撃をかいくぐりながら、アタッキングサードに向かうことができたのは選手たちの勇気のあるトライがあったから。今後多くのチャンスを作れるだけのベースとなるビルドアップの手応えが掴めたと思っている。これまでの日本代表であれば大迫が起点になってくれて、そこからゴールに向かう、サイドに展開する等々の形があったが、まずはダイレクトにゴールに直結するという原理原則の中でやっていければ。サイド攻撃ではシュートはなかなか打てなかったが、得点に至ってもおかしくないチャンスを作れていた。ただデータ的に見ても中央でいい形は作れなかったので、速い選手を起用することであったり、ポストプレータイプを起用するということではなく、中央から背後を突く起点を作れる部分、サイドから攻撃を仕掛けられる部分、チームの戦術的な共通認識を持てるように働きかけていかないといけない。そういう意味で昨日の練習は6対6で中央に縦パスを入れていくというところで、改善に向けてやっていこうというトライだった」

——ブラジル戦を見ていたライト層もこの試合を見ると思うが、どのようなプレーを見てほしいか。またどの点を修正しているところを見せたいか。
「修正というか改善であったりという部分は、修正といえば全てのクオリティーを上げていかないといけない。何かが悪くて改善するというより、世界の舞台でブラジル戦でも守備では意図的にボールを奪うこと、世界的なアタッカーがいる中で最後まで粘り強く守備をして、相手の攻撃を止めることができていたので、そこは継続し、レベルアップしていかないといけない。攻撃の部分ではボールを奪った時にできるだけ相手の守備網を一気に突破して、チャンスを作るところを狙いつつ、ブラジル戦ではそれが警戒されてできないことがあった。ボールを握るところはブラジルのプレッシャーの中でも、ミスを恐れることなく、関わることを恐れることなく、ディフェンディングサード、ミドルサードまで運ぶことができた。ただシュート数だけがデータとしていいかどうかは判断材料ではあるが、シュート数をもっと増やせるようにというところを次のガーナ戦でトライしてもらえるよう働きかけたい。作りのところをもっと速くしてボールを握り、シュート数を増やせるようにボールを動かし、相手の嫌がるスペースを突いていけるようにしたい」

——先発はパラグアイ戦をベースに考えているのか。前田大然、浅野拓磨、久保建英という組み合わせを試していたが、新しい組み合わせを使うか。
「ブラジル戦からは選手を変えていきたいと思っているし、全員ではないけど、スタートで出場機会を得ていない選手にもスタートからプレーしてもらえるようにというふうにしていきたいと思っている」

(取材・文 竹内達也)
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