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[入れ替え戦]まさに救世主!松浦2戦3発で磐田がJ1残留!!

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[12.13 J1・J2入れ替え戦第2戦 磐田2-1仙台 ヤマハ]

 J1・J2入れ替え戦は13日、ヤマハスタジアムで第2戦を行い、J1・16位のジュビロ磐田がJ1残留を決めた。ホームにJ2・3位のベガルタ仙台を迎えた試合はMF松浦拓弥が2得点。後半ロスタイムに1点を返されたが、2-1で逃げ切った。入れ替え戦2試合3得点の19歳の活躍で2試合合計3-2とし、過去3度のリーグ優勝を誇る名門がJ1の座を死守した。

 磐田は3-5-2のシステムで、GK川口能活、3バックは右から鈴木秀人、茶野隆行、岡田隆。中盤はロドリゴと犬塚友輔のダブルボランチ、右に駒野友一、左に村井慎二、トップ下に松浦拓弥が入り、前田遼一とジウシーニョが2トップを組んだ。
 仙台は4-4-2で、GK林卓人、4バックは右から菅井直樹、千葉直樹、渡辺広大、磯崎敬太と並んだ。中盤は 斉藤大介と富田晋伍のダブルボランチ、右に関口訓充、左に梁勇基。2トップはナジソンと中島裕希。互いに第1戦とまったく同じ先発メンバーだった。

 ユアスタでの第1戦は1-1。アウェーゴールを決め、優位な状況でホームに帰ってきた磐田だが、立ち上がりは積極的な試合運びを見せた。両サイドの駒野、村井も攻撃参加を見せ、前半6分には駒野の右クロスのこぼれ球をボランチのロドリゴがシュート。0-0でも残留が決まるが、ゴールを狙おうとする姿勢を見せた。
 仙台も関口、梁が個人技で突破を仕掛け、磐田守備陣を翻弄する。何度かセットプレーのチャンスもつかんだ。しかし、中盤で激しいせめぎ合いが続く一進一退の攻防は、なかなか互いに決定機をつくらせない。
 前半24分、仙台が梁の左クロスにナジソンがフリーで合わせたのがこの日最初のビッグチャンスだったが、ナジソンの右足シュートを上に浮かしてしまった。
 磐田は前田が空中戦に強さを発揮し、前線で起点をつくる。ジウシーニョも切れの良い動きでスペースに飛び出し、仙台守備陣を揺さぶった。すると前半41分、松浦がドリブルで中央を突破し、左サイドに展開。前田が低い折り返しをゴール前に入れると、PA内に飛びこんだ松浦が胸で角度を変え、ゴールに流し込んだ。松浦の技ありシュートで磐田先制。2試合合計2-1として、前半を折り返した。

 仙台はハーフタイムにナジソンを下げ、FW平瀬智行を投入。先制されたとはいえ、1点を取らなければ勝てない状況は試合前から変わっていない。後半5分には関口がPA内で仕掛け、左クロスに中島が頭で合わせるチャンスをつくった。
 磐田もその直後にジウシーニョが個人技でDFをかわし、至近距離からシュート。ここはGK林の好守に阻まれたが、その後も積極的に勝負を決める2点目を狙った。前田、ジウシーニョ、松浦の攻撃トライアングルが好連係でチャンスをつくり、駒野、村井もそこに絡んでいった。
 早めに同点に追い付きたい仙台は逆に劣勢を強いられた。ビルドアップでパスミスも多く、なかなかリズムに乗れない。ミスからカウンターでピンチを招く悪循環に陥った。
 仙台は後半24分、梁のFKに平瀬が頭で合わせるが、GK川口が鋭い反応でCKに逃れる。磐田はこのCKのピンチから電光石火のカウンターで2点目を奪った。DFのクリアボールに抜け出した松浦がドリブルで独走。1対1で富田を振り切り、右足でゴールに流し込んだ。
 これで2試合合計3-1。あとがなくなった仙台は前がかりになって攻めるが、磐田の厚い壁を破れない。後半42分には最終ラインからオーバーラップした千葉がGKとの1対1を迎えたが、ここも川口が体を張って守った。
 仙台は後半47分、梁が直接FKを叩き込み、1点を返した。これで2試合合計スコアは2-3。もう1点取って3-3にすれば、アウェーゴールの差でJ1昇格が決まる。最後は総攻撃で攻め立てたが、ゴール前に人の壁をつくった磐田が執念ではね返し、2-1で逃げ切った。これで磐田のJ1残留が決定。03年以来6年ぶりのJ1復帰を目指した仙台だったが、最後の最後で涙をのむ結果となった。

<写真>入れ替え戦で磐田の全得点を挙げ、残留の立役者となったMF松浦
(取材・文 西山紘平)

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