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マルキ、内田不在でも強い、鹿島が盤石の勝利

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[5.2 J1第9節 千葉0-2鹿島 フクアリ]

 J1第9節は2日、9試合を行い、フクダ電子アリーナではジェフユナイテッド千葉鹿島アントラーズが対戦。鹿島は前半17分、MF野沢拓也のゴールで先制すると、後半5分にMF小笠原満男のPKで追加点を挙げ、2-0で快勝した。

 千葉は4-3-3から4-4-2にシステムを変更。GK岡本昌弘、4バックは右から和田拓三、坂本將貴、ボスナー、青木良太と並んだ。中盤は工藤浩平と下村東美のダブルボランチで、左に谷澤達也、右に深井正樹。2トップは新居辰基と巻誠一郎だった。
 鹿島も4-4-2で、GK曽ヶ端準、4バックは右から新井場徹、岩政大樹、大岩剛、パク・チュホ。中盤は青木剛と小笠原満男のダブルボランチで、右に野沢拓也、左に本山雅志が入り、興梠慎三と大迫勇也が2トップを組んだ。

 立ち上がりは鹿島が主導権を握った。千葉の高い位置からのプレスを素早いパスワークと個人技でかわすと、サイドチェンジを織り交ぜながらピッチを広く使って翻弄。前半6分には青木の縦パスを受けた興梠が鮮やかなドリブル突破でDFの網をかいくぐり、左足で決定的なシュートを放った。

 前半12分にはロングフィードを大迫が頭でそらし、興梠が抜け出しかけたが、興梠のトラップが大きくなったところをGK岡本が間一髪で抑えた。同14分、野沢の左クロスを受けた本山のシュートもGKがはじいたが、その直後、ついに鹿島が先制する。

 前半15分、左サイドの混戦から小笠原が中央に折り返すと、ゴール前で完全にフリーだった野沢が落ち着いて右足で流し込んだ。

 立ち上がりの猛攻で1点を奪った鹿島はその後、リスクを抑え、相手に回させるところは回させた上でラインをコンパクトに保って守りを固め、カウンターで追加点を狙う試合運びにシフトした。

 千葉は新居のスピードや、両サイドの深井、谷澤が果敢なドリブル突破で局面の打開を図るが、集中力を保った鹿島守備陣の牙城をなかなか崩せなかった。

 鹿島はハーフタイムに岩政が下がり、DF伊野波雅彦がセンターバックに入った。守備の要の交代で不安もよぎったが、若い2トップが貴重な追加点を演出した。

 後半4分、PA内でボールを持った大迫がボスナーを背にしながらキープ。フォローに走ってきた興梠にパスを預けると、興梠が背後から青木良に倒され、PKを獲得。これを小笠原がきっちり決め、2-0とリードを広げた。

 千葉は後半10分、工藤に代えてMFアレックスを投入。反撃に出るが、鹿島は球際で激しく競り合い、チャンスを与えない。逆に後半17分にはカウンターから決定機をつくった。興梠のスルーパスを受けたパクが左クロス。大迫がフリーでゴール前に走り込んだが、左足のシュートはGKに当ててしまった。

 千葉も後半22分、クリアボールを拾った深井が左足でシュートを打つと、GKのはじいたボールを新居が左足ボレーで狙ったが、枠を捉えきれない。同27分、アレックスの右クロスをファーサイドでヘディングした谷澤のシュートもゴール上へ外れた。徐々に運動量の落ち始めた鹿島を押し込み出すが、シュートの正確性を欠いた。

 千葉は後半28分に新居をMF米倉恒貴、同36分に深井をMFミシェウに代えて交代カードを切るが、逆にゴール前で仕事のできる選手がいなくなり、得点の可能性を感じさせなかった。

 結局、鹿島が2-0で逃げ切り、2連勝。右内転筋痛のFWマルキーニョスをケガで欠き、過密日程で疲労の見えるDF内田篤人を“温存”しながらも層の厚さを見せつけ、盤石の強さで勝ち点3をつかみ取った。

(取材・文 西山紘平)

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