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5ヵ月前の涙を力に、千葉・工藤「借りは返せた」

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[4.25 J2第8節 千葉2-0岐阜 フクアリ]

 5ヵ月前の屈辱を倍にして返した。昨年11月15日の天皇杯4回戦。J2降格が決まった直後の試合で、ジェフユナイテッド千葉は岐阜に0-1で敗れていた。ゴール裏のスタンドに「09・11・15あの日の悔しさをぶつけろ!!」との横断幕も掲げられた一戦は、チームにとっても、サポーターにとっても、ただの1試合以上の意味があった。

 当時の先発メンバーで、この日もスタメンに名を連ねたのはMF工藤浩平だけだった。試合後、ピッチに仰向けに倒れ込み、悔し涙を流した男はリベンジに燃えていた。「監督も“きっちり借りは返さないといけない”と話していたし、僕らだけでなく、サポーターさんにも悔しい思いをさせていた。しっかりホームで勝てて、借りを返せてよかった」。涙のち笑顔。シュート数19対9の一方的な試合展開での2-0快勝に晴れやかな表情を見せていた。

 この日はアンカーの位置でMF山口慶に代わりMF中後雅喜が今季初出場初先発を飾った。「慶とはポジションは一緒だけど、タイプは真逆。慶のいいところも見ているし、学ぶところもあるけど、自分の持ち味は攻撃的なところ。ボランチを経由していい攻撃につなげるとか、セットプレー、ミドルシュートでアピールできればと思っていた」

 前半6分のミドルシュートはわずかにゴール上へ。本人は「ボチボチ。まだまだ」と納得していなかったが、中後がフィットすれば、チームとして幅が広がるのは間違いない。

 これでホームは無傷の4連勝だが、アウェーは1勝1分2敗。今後は連戦で栃木、大分とアウェー2連戦が控えており、まずは最初の正念場だ。「アウェーで勝てていないところが自分たちの力のなさだと思っている。アウェーでも自分たちのサッカーができないといけない」と工藤。岐阜に借りを返し、ここからさらに加速していく。

<写真>千葉MF工藤
(取材・文 西山紘平)

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