beacon

W杯監督インタビュー:ブラジル代表ドゥンガ

このエントリーをはてなブックマークに追加

W杯出場チーム監督インタビューの第10回目は優勝候補ブラジルを率いるドゥンガ監督。「守備的」と批判されることもある同監督のW杯での狙いとは?

─今回ブラジル代表のW杯出場メンバーには、大方の予想を裏切る結果となりましたが、どのようなお考えであのメンバー表を作成したのですか?
「私のことが嫌いでも、また、私が選んだ選手が嫌いでも、サポーターは私の選択を信じなければなりません。多くの記者はかなり前からすでに自らのメンバー表を作っていたようですが、私は毎月、選手たちのコンディションの変化を見守ってきました。私は、クラブチームでのパフォーマンスを含む彼らのグラウンド上のプレーに注目してきましたが、より重要なのは、ブラジル代表の試合で見せるプレーです。私の選択は、一定期間における彼らのコンディションによって決定しました」

ロナウジーニョアドリアーノアレシャンドレ・パトのような優秀な選手が落選した理由は?
「誰にでもチャンスはあります。08年の北京五輪では、私はパトとロナウジーニョにチャンスを与えましたが、彼らはチャンスを活かせませんでした。この3年間、全ての監督がロナウジーニョに最適なポジションを用意することはないと感じました。つまりレフトウィングの位置です。彼はミッドフィルダーやトップ下には適していません。他の選手と同様、彼にもチャンスを与えました。彼のポジションであるレフトウィングでプレーすれば、彼の実力は疑いの余地もありませんが、私はグラウンド上の状況に基づいて、とくに代表チーム全体を考慮して選択しなければなりません。アドリアーノについても、多くのチャンスを与え、彼が苦境から脱出できるようにしましたが、我々は大局的に、最も良く、最も理性的な決定をしなければなりません。ブラジル代表はアドリアーノをいつまでも歓迎しますが、今回は痛みを忍んで決断せざるを得なかったのです」

カカも同様にスター選手ですが、現在のコンディションは良くありません。そしてR・マドリーでのプレーも芳しくありませんでした。今シーズンに限って言えば多くの点でACミランのロナウジーニョに及ばなかった彼を、なぜ南アフリカに連れて行くのですか?
「選手を見るとき、私はクラブでのプレーではなく、代表チームでのプレーを重視します。移籍する前のACミランでのカカのプレーは非常に素晴らしかったのですが、R・マドリーに移籍した後、新しい生活環境に慣れなければならないことや、プレッシャーも大きかったと思います。さらにその後ケガをしてしまいましたが、最近ようやくそのケガからの復帰を果たしました。カカについては、我々は彼を信じ続けなければなりません」

─ブラジル代表の出場メンバーを見ますと、若い選手が少ないようです。今後の成長が期待できる若い選手にW杯の舞台でプレーするチャンスを与えるべきだという意見もありますが、監督はどう思われますか?
「2014年のブラジルW杯のためにも若い選手を連れて行って経験を積ませろと言う人は確かに多いです。しかし、私は今、今大会での勝利が欲しいのです。どうしても若い選手を連れて行けと言うなら、自分の息子を連れて行くよと、ジョルジーニョコーチと冗談を言っていました。私の息子たちも才能のある選手ですが、彼らを連れて行かないのは、これら若い選手たちがW杯の試合でどのようなプレーをするか全くわからないからです」

─これまでにW杯で5回優勝したブラジル代表ですが、今回のW杯での目標は?
「我々の目標は、W杯の最後の一戦まで、勝利を勝ち取ることです。我々は非常に強いチームですし、3年間トレーニングをしてきたため、コンビネーションも非常に良いです。W杯ではきっと素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるはずです。また、困難に直面した場合を想定しての準備も万端です。全てを克服して一つ一つの試合を真剣に戦ってくれればと思っています」

─以前からW杯が終わった後、監督がブラジル代表を離れると言うニュースが流れていますが、次はどのチームの監督になるのか既に決まっていますか?
「おっしゃる通り、。W杯終了後はブラジル代表から離れます。そして、クラブチームで仕事をしたいと思っています。セリエAのフィオレンティーナは私にとって非常に良い選択だと思っています。過去に4年間そこでプレーしたこともありますし、ホームタウンにもチームにも深い思い入れがあります」

(取材・文 馬徳興・傅亜雨?殘・・・・詞・・・洫

▼関連リンク
W杯南アフリカ大会特集
全監督インタビューリスト
W杯最強ガイドブック
└最終登録メンバーにアップデータ付き

TOP