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F東京、大熊新監督の初陣飾れず10戦勝ち星なし。大宮が“裏天王山”を制す!

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[9.25 J1第24節 F東京0-1大宮 味スタ]

 J1第24節が25日に各地で行われ、東京・味の素スタジアムでは16位FC東京と14位大宮アルディージャが激突した。大熊清新監督の初陣で何としても勝ち点3が欲しいF東京だったが、大宮がMF金久保順のプロ初ゴールで1-0勝利。勝ち点3差で迎えたJ1残留争いを制した。F東京は3連敗で、これで3分け7敗と10試合連続で勝ち星から見放された。

 F東京は梶山陽平、羽生直剛、鈴木達也の主力3選手を怪我で欠いた。システムは城福浩前監督が最近用いていた4-3-3から4-4-2に変更。GKは権田修一、DFラインは右から椋原健太、今野泰幸、キム・ヨングン、中村北斗。ボランチは徳永悠平と森重真人、2列目は右に石川直宏、左にリカルジーニョが入った。2トップは平山相太と大黒将志が組んだ。平山はリーグ戦4試合ぶりの先発復帰となった。

 大宮はボランチの金澤慎を出場停止で欠いた。システムはいつもどおり4-4-2でGKは北野貴之、DFラインは右から村上和弘、福田俊介、坪内秀介、元F東京の鈴木規郎。ボランチは青木拓矢と李浩、2列目は右に藤本主税、左に金久保順が入った。2トップはラファエルと李天秀が組んだ。

 立ち上がり共にコンパクトな陣形を敷き、ボールが収まらない。F東京は平山を起点に、大宮は李天秀が引いて組み立てに加わろうとしたが、両軍ともに守備陣がしっかりとケアしDFラインを崩すにはいたらなかった。

 前半18分、大宮はラファエルが左からのやわらかいクロスをファーサイドで受けて抜け出そうとするが、ボールが高すぎたためにバランスを崩し、右足のシュートは枠を捉えられなかった。F東京はその1分後、決定権を迎える。右からのクロスに森重が合わせて左ボレーを放ったが、枠を外した。

 前半15分すぎからF東京が中盤での守備が機能し、優位に立つ。リカルジーニョ、石川の両サイドと中央の平山がうまくボールを受けてリズムを作った。しかし、バイタルエリアでは単調なクロスやドリブルが目立ち、崩しきることはできなかった。前半33分、左からのクロスに平山が頭を合わせるが、ボールが高くミートできなかった。

 F東京は前半41分、縦パスに平山が前を向き、森重にラストパス。森重は抜け出して右足でシュートを放つが、決め切れなかった。大宮はその1分後、中盤でボールを奪ってショートカウンターに。藤本がPA右からシュートするが、GK権田に防がれ、こぼれ球から今度は金久保が狙うが枠を外れた。

 F東京がボールをつなぐ中、前半45分にビッグチャンスを得た。右サイドで平山がポストプレーからオーバーラップしてきた椋原へ。右クロスは跳ね返されたが、ファーサイドへのこぼれ球をリカルジーニョが拾いシュート。GK北野がいないエリアを狙ったが、ライン上で大宮DFにブロックされ、先制のチャンスを逃した。前半、F東京はシュート10本と大宮を4本上回ったが、単調なものばかりでゴールを奪えなかった。

 0-0で後半がスタート。序盤からF東京が積極的な攻撃をみせた。開始1分、リカルジーニョが左サイドでヒールパス。これに中村が抜け出してシュートを放つが、オフサイドだった。その後も、立て続けにシュートを放つ。後半3分には大黒、同5分と7分には平山がシュートを放つ。リカルジーニョも積極的に仕掛けて放つが、いずれも精度を欠いて決定的なシュートにはならなかった。

 F東京は後半12分、大黒に代えてMF大竹洋平を投入。リカルジーニョをFWに上げ、大竹は左MFに入った。大宮は防戦一方で苦しい時間が続く。中盤での守備で後手を踏み、ラファエルや李天秀にボールが入らない。後半18分、大宮は藤本に代えてFW石原直樹を投入。石原はFWに入れ、李天秀を右MFに回して打開を狙った。

 F東京は攻める時間が続くが、ゴールが割れない。後半22分、リカルジーニョに代えてFW重松健太郎を入れた。大宮は布陣変更が功を奏し、攻撃にリズムが出てくる。そして後半24分、李天秀の右クロスからラファエルが右足でボレーシュート。これがクロスバーの下に当たり、ラインを割ったかに見えたが、主審、副審ともにノーゴールの判定だった。

 後半28分、流れをつかみかけていた大宮が先制点を奪った。ラファエルがPA右を突進してクロス。これに左MFの金久保順がファーサイドに飛び込んで、あまり角度のない中でヘディングで押し込み、貴重なゴールをつかんだ。金久保はこれがプロ初ゴールとなった。

 負けられないF東京は後半33分、椋原に代えて今夏に大分から獲得したFW前田俊介を投入。FWの枚数を増やして攻勢を狙った。大宮は後半39分、李浩に代えてMF安英学を送り出し守備を固めた。さらに同44分には金久保に代えてDFマトを投入。逃げ切り策に出た。

 ロスタイムは4分。大宮はゆったりと時間を使いながら攻め、F東京はハイボールを多様する。しかし、反対に大宮がカウンター。縦パスに李天秀が抜け出してドリブルで独走。シュートまで行ったが、これはGK権田に弾かれた。大宮はその後、CK付近で時間稼ぎをスタート。そのままきっちり逃げ切り、1-0で残留争いを制した。

(取材・文 近藤安弘)

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