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さいたまダービーは浦和が3戦ぶり勝利! 高崎J1初ゴール&柏木が決勝点

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[10.2 J1第25節 大宮1-2浦和 埼玉]

 J1第25節が2日に各地で行われ、埼玉スタジアム2002では“さいたまダービー”、14位大宮アルディージャと8位浦和レッズが激突した。最近2試合は大宮が勝利していたが、浦和が主導権を握り続けて2-1勝利。今季初先発のFW高崎寛之がJ1初ゴールを決めたほか、MF柏木陽介が追加点を奪って、昨年6月のナビスコ杯での6-2勝利以来、3試合ぶりの“ダービー制覇”をつかんだ。

 大宮はMF金澤慎が出場停止明けで復帰したが、DF鈴木規郎が出場停止。右SBでDF渡部大輔が5試合ぶりに先発した。システムは4-4-2でGKは北野貴之、DFラインは右から渡部大輔、福田俊介、坪内秀介、村上和弘。ボランチは金澤慎と青木拓矢、2列目は右に藤本主税、左に金久保順が入った。2トップはラファエルと李天秀が組んだ。

 浦和はMFポンテが出場停止で、DFスピラノビッチとFWエスクデロ・セルヒオが怪我で欠場。FW高崎寛之が初先発し、怪我で長期離脱していたMF梅崎司が今季初のベンチ入りした。またユース所属の17歳FW矢島倫太郎が初のベンチ入りを果たした。システムは4-4-2でGKは山岸範宏、DFラインは右から平川忠亮、山田暢久、坪井慶介、サヌ。ボランチは細貝萌と柏木陽介、2列目は右に田中達也、左に原口元気が入った。2トップは高崎寛之とエジミウソンが組んだ。

 さいたまダービーは最近2試合は大宮が連続完封勝ちをつかんでいるが、この日は開始から浦和が主導権を握り、先制点を奪った。前半4分、高崎寛之が持ち味を活かしてJ1初ゴールを決めた。右サイド、田中のクロスの跳ね返りを柏木が拾い、左足でやわらかいクロス。ファーサイドの高崎が得意のヘディングを叩き込んだ。見事、起用に応えてみせた。

 これで浦和が勢いに乗る。柏木が攻守で存在感を発揮、また、右サイドの田中と平川がうまく絡んで攻撃を仕掛けた。そして前半16分、浦和が追加点を奪った。右サイドをエジミウソンがドリブルで突破し、PA中央の柏木陽介へパス。柏木は利き足とは逆の右足でやわらかいシュートを放ち、2-0とリードを広げた。

 その後も浦和のリズムで試合が進む。大宮はプレスに苦しんでパスミスが目立ち、ラファエル、李天秀に効果的なボールが入らない。入っても、3人目が絡むシーンが少なく迫力を欠いた。それでも前半45分、エースが個人技で守備網を崩して1点を返した。

 左サイドから村上が右足で中央へ入れ、これがPA正面のラファエルのもとへ。左足の巧みなトラップでマークに来たサヌ、坪井を交わして斜め右に抜け出し、GK山岸と1対1に。飛び出してきた山岸の上を抜くやわらかいシュートでゴールネットに突き刺した。

 後半も浦和ペースで試合が進む。同5分、細貝が攻撃参加し、エジミウソンのリターンを受けてPA内に侵入した。好機だったが、相手DFに防がれ、シュートまでいけなかった。同7分、大宮がチャンスを作る。李天秀が右サイドを仕掛けてクロス。ラファエルが飛び込んだが、わずかに合わずにファーへ流れた。大宮は前半と比べてパスミスが減り、効果的な縦パスが入り始めた。

 後半15分、早めに同点に追いつきたい大宮が先に動いた。金久保に代えてFW石原直樹を投入。1-0勝利した前節のF東京戦のように、パスもドリブルも得意な李天秀を右MFに回して打開を狙った。右MFだった藤本は左に配置された。

 大宮が少しずつリズムをつかみ始めたが、浦和も反攻に出る。後半27分、絶好機を迎えた。サヌが左サイドを突破してクロス。田中が走り込み、フリーの状態でヘディングシュートを放ったが、右に外してしまった。その2分後、高崎が縦パスに抜け出してPA内左をドリブル突進。DFに倒されてPKかと思われたが、松村和彦主審の笛はならなかった。

 後半30分、浦和は高崎に代えてMF堀之内聖を投入。4-5-1に変えて、堀之内がボランチ、柏木がトップ下に回った。これにより、中央の守備強化とボール支配率を上げようとした。大宮もその2分後に2枚目のカードを切った。李天秀に代えてFW市川雅彦を送り出し、右MFに入れた。さらに後半38分、金澤に代えてMF橋本早十を投入。ボランチに入れて攻撃の活性化を狙った。

 終盤、ともにやや間延びし、一進一退の攻防が続く。後半42分、エジミウソンが右サイドから縦パスに抜け出しカウンターへ。右足でグラウンダーのミドルシュートを放ったが、力なくGK北野にセーブされた。浦和は同45分、原口に代えてMF濱田水輝を今季初投入。さらにロスタイムには田中に代えてMF林勇介を今季初投入して時間を使った。試合はそのまま終了。浦和は2-1で2連勝をつかみ、8月17日の仙台戦からリーグ戦7戦連続負けなしと好調をキープした。

<写真>先制点を決めた浦和FW高崎
(取材・文 近藤安弘)

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